研究概要 |
肝内抗原提示細胞機能不全、免疫調節細胞欠如マウスを用いた検討 §LPS不応答性マウスを用いた経口寛容誘導の検討 腸管粘膜から抗原とともに肝内移行しKC、DC、SECを活性化するLPSに不応答性のC3H/HeJマウスを用い経口寛容誘導を試みたところ経口寛容は誘導できず、LPSによる抗原提示細胞活性化が経口寛容誘導に必須性である可能性が示された。 §NKTノックアウトマウスを用いた経口寛容誘導の検討 Vα14KOマウス(Science 278:1623,1997)を用いて経口寛容誘導を試みたところ、経口寛容誘導は成立した。したがってNKT/CD1d系は経口寛容誘導には必須ではないことが示された。 §CD25ノックアウトマウスを用いた経口寛容誘導の検討 CD25ノックアウトマウス(Immunity 3:52,1995)を用いて経口寛容誘導を試みたところ、経口寛容誘導は成立し、CD25陽性調節性細胞は経口寛容誘導に必須でないことが示された。 §NKTノックアウトマウスに抗CD25抗体を投与した際の経口寛容誘導の検討 NKT細胞、CD25陽性調節性細胞がともに欠如した際の経口寛容誘導不全の可能性を検討するために、上記のNKTノックアウトマウスに抗CD25抗体を投与したマウスで経口寛容誘導を試みたところ経口寛容誘導は成立し、経口寛容誘導にはNKT細胞、CD25陽性調節性細胞以外の要素が関与している可能性が示された。 以上よりさまざまな免疫調節性細胞をそれぞれ単独で除去しても経口寛容誘導は維持されたことから、経口寛容誘導には肝内のさまざまな免疫調節性細胞がオーバーラップして関与しており、どれかひとつの細胞が欠損しただけでは経口寛容誘導に支障をきたさないことが明らかにされた。
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