• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

β-カテニン遺伝子導入樹状細胞ワクチンによる大腸癌の発生予防

研究課題

研究課題/領域番号 13670565
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

本間 定  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50192323)

研究分担者 戸田 剛太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40090500)
伊藤 正紀  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80297366)
キーワード樹状細胞 / APC遺伝子異常 / 大腸癌 / 免疫療法 / β-カテニン / 遺伝子導入
研究概要

野生型および変異型β-カテニン遺伝子のマウス骨髄由来樹状細胞への導入を試みた。遺伝子DNAの導入24時間後の導入効率(GFP蛋白発現)を検討すると、GFP蛋白の発現は約50%の樹状細胞で認められたが、導入操作後の樹状細胞のviabilityは著しく低かった。同遺伝子のmessenger RNAをAMAXA法を用いて樹状細胞に導入したところ、DNA導入時と同様の良好な導入効率が得られ、導入後の樹状細胞のviabilityも比較的良好であった。しかし、導入後24時間が経過すると、著しい低下が認められた。そこで、マウス由来不死化樹状細胞株DC2.4細胞を使用して、GFP遺伝子をコードしたmRNAをAMAXA法を用いて導入を試みたところ、良好な導入効率と、導入後の良好な細胞の生存率が得られた。β-カテニン遺伝子を導入したDC2.4をAPC1309マウスに2回皮内注射し、その後マウス脾細胞を採取してβ-カテニン遺伝子導入DC2.4に対する障害活性を検討したところ、有意な細胞障害活性が検出され、β-カテニンに対する免疫反応の誘導が示された。
一方、安定した形でβ-カテニンの抗原性をT細胞に提示するために、野生型および変異型のβ-カテニン遺伝子を線維芽細胞株3T3細胞に導入してstable transfectantを樹立した。Polyethylene glycolを用いて、この細胞と樹状細胞の融合細胞を作製してマウスに投与し、β-カテニンに対する特異免疫の獲得の有無を検討した。その結果、融合細胞で免疫したマウスの約半数はβ-カテニンを発現するColon-26細胞の生着を拒絶し、そのようなマウス脾細胞にはColon-26細胞に対する細胞障害活性が誘導された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takeda A, Homma S, Okamoto T, Kufe D, Ohno: "Immature Dendritic Cell/Tumor Cell Fusions Induce Potent Antitumor Immunity."Eur.J.Clin.Invest.. 33. 337-344 (2003)

  • [文献書誌] Homma S, Matai K, Irie M, Ohno T, Kufe D, Toda G: "Immunotherapy using fusions of autologous dendritic cells and tumor cells showed effective clinical response in a case of advanced gastric carcinoma."J.Gastroenterol.. 38. 989-994 (2003)

  • [文献書誌] 榎本康之, 本間 定, 幡場良明, 原 栄一, 銭谷幹男, 大野典也: "消化器癌に対する新たな免疫療法をめざしたヒト樹状細胞/癌細胞融合ワクチンの作製に関する基礎的研究"東京慈恵会医科大学雑誌. 119. 99-115 (2004)

  • [文献書誌] Iinuma T, Homma S, Noda T, Kufe D, Ohno T, Toda G: "Prevention of gastrointestinal tumors based on adenomatous polyposis coli gene mutation by dendritic cell vaccine."J.Clin.Invest.. (in press).

  • [文献書誌] Irie, M, Homma S, Komita H, Zeniya M, Kufe D, Ohno T, Toda G: "Inhibition of spontaneous development of hepatic tumors by inoculation with dendritic cells loaded with hepatocellular carcinoma cells"Int.J.Cancer. (in press).

  • [文献書誌] 本間 定: "癌特異的免疫療法-肝癌の予防を注進に-"最新医療シリーズ 肝・胆・膵疾患の最新医療. 25. 36-40 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi