研究概要 |
当初の予定通り,以下の2点より研究を進めている. 肺炎・肺傷害急性期:幼若好中球が,肺炎初期に骨髄より末梢血中に放出されることを明らかにした.また,様々な刺激に対する幼若好中球の反応は,末梢血中の成熟好中球と違うことが明らかになりつつある. 肺修復期:マウス骨髄移植モデルを用いて,肺修復期における骨髄由来幹細胞の関与を検討することが,本研究の目的である.当初,LacZ発現マウス(B6. 129S7-Gtrosa26 : C57BL/6-TgR (ROSA26) 26Sor ; Lacz ; Rosa26 ; Rosa26 ; TgR(ROSA26)26Sor : Jackson Lab. )よりの骨髄移植を予定していた.しかし,homozygous同士の生殖効率がかなり低いことが判明し,現在heterozygous同士の掛け合わせにより繁殖を図っている.また,同時にこのLacZ発現マウスではなく,大阪大学遺伝情報実験センター遺伝子機能解析分野で作成された"greenmouseFM131"(C57BL/6TgN(act-EGFP)OsbC14-Y01-FM131)の骨髄を使用することを検討しており,すでに大阪大学遺伝情報実験センター岡部勝教授よりマウス分与の承諾を得,3月27日東北大学医学部動物実験施設中央棟に搬入される予定である.このマウスの繁殖を待ち,平成14年5月初旬には本格的に骨髄移植実験が開始できる予定である.これまで報告されている方法を用い,C57BL/6マウスにgreen mouseまたはLacZ発現マウスの骨髄を移植し,様々な肺疾患における骨髄由来細胞の位置の同定を行う.これは,将来の幹細胞を用いた遺伝子治療において,重要な地図になると考えている.また現在,その幹細胞を用いた遺伝子治療を目指し,磁気細胞分離システムを用いた血管内皮前駆細胞の分離,培養法の樹立を行っている.
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