研究課題/領域番号 |
13670600
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大崎 匡 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324778)
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研究分担者 |
米田 勉 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
立花 功 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60324761)
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キーワード | 遺伝子治療 / 癌特異的治療 / 癌胎児性抗原 / Cre リコンビナーゼ / 二重感染法 / アデノウィルスベクター / ヘルペスウィルス・チミジンキナーゼ |
研究概要 |
前年度は、ヒトcarcinoembryonic antigen(CEA)産生癌によるマウス癌性腹膜炎モデルにおいて、CEAプロモーター制御下にThymidine Kinase(TK)遺伝子を発現するアデノウイルスベクターによる癌特異的な遺伝子治療が有効かつ、有意な副作用を認めなかったので、本年度は肺癌による癌性胸膜炎症例に対するこの治療法の適応を決めるための検討を行った。まず、症例の血清中と胸水中の癌細胞のCEA発現量を定量する。同時に採取した癌細胞にこのCre/loxPシステムによるベクターをin vitroで感染させ、ganciclovir感受性の変化を検討する。これらから、症例選定のための基礎的検討をおこなった。本実験は本学の学内倫理委員会の承認を済ませ、書面で患者のインフォームド・コンセントを得た15症例の胸水と血液について検討を行った。採取した胸水をパーコールグラディエントに重層後遠心し、がん細胞を回収した。CEAの免疫染色をおこなったところ、回収した細胞にはがん細胞を少なくとも70%含むことがわかった。次に、回収した細胞からRNAを抽出し、逆転写することによりcDNAを作成した。これを鋳型としてPE Biosystem AB17700をもちいて定量的PCRを行った。あらかじめCEAを発現する癌細胞株より検量線を作成。これをもとに症例の癌細胞中のCEAを定量することが可能であった。一方、Cre/loxPシステムを用いたアデノウイルスベクターによる感染後の胸水中の癌細胞のGCV感受性を検討するためにcollagen gel drople-embedded culture drug sensivity test(CD-DST)法(Nitta Gelatin.Inc)をもちいて培養を行った。現在、採取した癌細胞のCEA量とGCV感受性の相関を検討している。
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