研究課題/領域番号 |
13670605
|
研究機関 | 大分大学(医学部) |
研究代表者 |
門田 淳一 大分大学, 医学部, 助教授 (50233838)
|
研究分担者 |
河野 茂 長崎大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80136647)
|
キーワード | びまん性汎細気管支炎 / アポトーシス / マクロライド系抗菌薬 / サイトカイン / 緑膿菌 / twitching motility / バイオフィルム / リンパ球 |
研究概要 |
前年度において、びまん性汎細気管支炎(PPB)の呼吸細気管支領域の病態形成に、リンパ球アポトーシスの抑制が重要で、その細胞内分子としてアポトーシス抑制蛋白であるBcl-2の過剰発現が重要であることが判明した。また、マクロライド系抗菌薬がリンパ球のアポトーシスをBcl-xL発現抑制を介して促進していることが明らかとなった。一方、緑膿菌性慢性気道感染症マウスモデルにおいて、マクロライドを長期投与することで緑膿菌の排除とバイオフィルム形成を阻害することが実証された。今年度はさらにこのモデルを用いて、緑膿菌性慢性気道感染症の病態形成と緑膿菌のtwitching motilityの関与の解明を主題として研究を行った。その結果、1)twitching motility能欠損株であるΔpilHIJKとその野生株であるPAO-1では、欠損株感染群の生存率が有意に上昇した。2)欠損株群では野生株群に比して、肺内サイトカインがTh2系からTh1系にシフトすることが確認された。3)野生株群にマクロライド系抗菌薬を投与すると、肺内サイトカインがTh1系にシフトすることが確認された。このことからDPBをはじめとする緑膿菌性慢性気道感染症では、その病態形成にTh2系サイトカインが重要であり、その制御にはサイトカインバランスをTh1系にシフトさせるような治療法が有用である可能性が示唆された。これらサイトカインバランスとDPBでみられたリンパ球アポトーシスの抑制機構が関連しているかどうかを今後検討予定である。
|