研究概要 |
神経疾患での病態把握、病因解明のために不可欠ではあるが、侵襲的である神経病理学的検査の代用となるMRを用いた高分解能イメージング(MR microscopy)による生体内での神経細胞や軸索などの変性・脱落を検出することを目的として今年度の研究を行った。ニューロパチーの顕微鏡的病理とマクロのMRI画像との比較についての研究を行った(Hikita T and Abe K. Magnetic resonance imaging of peripheral nerve-Evaluation in patients with HMSN(Hereditary motor and sensory neuropathy)and AIDP(acute inflammatory demyelinating polyneuropathy)-Neuroradiology(in press))後に、以前よりの研究の継続として、一般臨床場面で用いられる1.5Tesla実用機を用いて行い、ニューロパチーの患者の末梢神経MR microscopyを行った。しかし、当初予定した分解能を得ることでの技術的困難に直面した。そこで、分解能(可視化能)を向上するために、神経活動を観察することのできるfMRIの手法を組み合わせることを案出し、比較的神経細胞の大きい中枢神経系で試みた(Fujita N, Tanaka H, Takanashi M, Hirabuki N, Abe K, Yoshimura H, Nakamura H. Lateral geniculate nucleus : Anatomical and functional identification by use a MR imaging. AJNR 22:1719-1726, 2001)。 次年度以降の研究では、脊髄あるいは神経根レベルでの実用化を行い、当初の予定とは逆順ではあるが末梢神経系への応用への手がかりとしたい。
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