研究概要 |
ヒト抗体産生マウス(KM mouse)を使用し、重症筋無力症の自己抗体の作成をそれを認識する抗イディオタイプ抗体の作成を本年度行った。 (1)自己抗体の作成:TE671細胞より、ヒトのacetylcholin receptor(AChR)-alphaをTriton X100による膜の可溶化とDEAE sephace1による陰イオン交換により、精製を行った。得られた精製AChRをTMD-emulsionとエマルジョンをつくり,KM mouseに感作を行った。3回の免疫感作の後に、最終AChR 20μgを静注し、最終感作とした。摘脾より得られた細胞をSP2/0細胞とfusionを行いモノクローナル抗体を作成した。現在9種のモノクローナル抗体を確保した。 (2)自己抗体の性状確認:ELISAよりAChRに対するaffinityは確認されているが、AChRを表出するTE671の染色性を確認した。全抗体ともAChRの膜蛋白を認識可能であった。またTE671をcell analyzerでの確認でもその親和性が確認された。 (3)抗イディオタイプ抗体の作成:ヒトAChRの61-76に対するコンプリメンタリーペプチドにN末にCytein残基を結合させたペプチド(CHIVVKEPIWIVIATHF-COOH)をまず合成し、さらに感作用にさらにCytein部にKLHを結合させた。KM mouseへの感作は、このKLH couplingペプチドをTMD-emulsionで行った。最終boostはコンプリメンタリーペプチドの20μgの静注で行い、(1)と同様にモノクローナル抗体の作成を行った。現在1種類のモノクローナル抗体を作成した。 今後の予定 (1)自己抗体のin vivoでのAChRの崩壊促進の証明 (2)AChR崩壊可能抗体のエピトープ解析 (3)コンプリメンタリーペプチドで作成されたイディオタイプ抗体の患者血清中での認識についての検討をおこなう。
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