研究概要 |
ヒト抗体産生マウス(KM mouse)を使用し、重症筋無力症(MG)の自己抗体の作成とそれを認識する抗イディオタイプ抗体の作成を本研究の目標とした。 (1)自己抗体の作成:TE671細胞より、ヒトのα-acetylcholine receptor (AChR)をTrit on X-100による膜の可溶化とDEAE sepharose FFによる陰イオン交換により、精製を行った。得られた精製AChRをKM mouseに感作を行い、15のモノクローナル抗体の作成に成功した。 (2)AChR親和性の検討:得られたmAbもを使い,TE671細胞膜外AChRとの親和性をFACscan, Immunohistochemistryより検討した.またAChRを、native PAGE, SDS-PAGE, IEFのそれぞれの電気泳動を行た。12クローンが膜外のAChRを認識していることを確認した。 (3)ヌードマウスによる自己抗体の確認:精製したmAbを1mg/mlに調整し,ヌードマウスに静注投与を行い,48時間後に大腿筋を採取し,AChRの崩壊度を検討した。2種類のmAbがMG惹起性を持つことを確認した。 (4)抗イディオタイプ抗体の作成:ヒトAChRの61-76に対するコンプリメンタリーペプチドにN末にCytein残基を結合させたペプチド(CHIVVKEPIWIVIATHF-COOH)をまず合成し、KM mouseに感作を行い、2種類のモノクローナル抗体を作成に成功した。 (5)Fabの作成:作成した抗イディオタイプ抗体は,ヒト抗体であるために患者血清中の自己抗体との区別が出来ない.今後の自己抗体のスクリーニングを容易にするために,作成した2種類のmAbのFab化をimmobilized PapainとSephacryl S-100でのgel filtrationによる精製に成功した。
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