• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の遺伝子治療

研究課題

研究課題/領域番号 13670655
研究機関熊本大学

研究代表者

安東 由喜雄  熊本大学, 医学部, 講師 (20253742)

キーワードアミロイドーシス / 家族性アミロイドポリニューロパー / 遺伝子治療 / トランスサイレチン / オリゴヌクレオチド / アテロコラーゲン / トランスジェニツクマウス / 肝臓
研究概要

家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の治療として肝移植が行われるようになり、肝臓を外科的にTTRの正常の遺伝子を持つものと置換するとFAPの臨床症状が進行しないことが明らかとなった。しかし、肝移植にはドナー不足や免疫抑制剤の終生の服用などの問題点のほか、例え肝移植を施行しても、網膜から産生される異型トランスサイレチン(TTR)により眼症状の進行を抑えることが出来ないことが判明した。そこで、我々は、肝移植に代わる治療として、オリゴヌクレオチド(RNA/DNA オリゴヌクレオチド(ONs)、single-stranded oligonucleotides (SSOs))を用いた肝臓の異型TTR遺伝子を正常のTTRの遺伝子配列に修復する遺伝子治療を検討した。まず、HepG2細胞へのオリゴヌクレオチドのトランスフェクション効率をFugene6、ExGen500、アテロコラーゲンを用いて検討したところ、アテロコラーゲンによる方法が最も効率がよかった。次に、アテロコラーゲンで包埋したONsおよびSSOsによるHepG2細胞における遺伝子変換率を検討したところ、ONsによる遺伝子変換はみられなかったが、SSOsを使用した場合に1%弱の遺伝子変換がみられた。そこで、0.1%および0.5%アテロコラーゲンと25-mer、45-mer、74-merのSSOsを用いてHepG2細胞における遺伝子変換の最適条件を検討したところ、0.5%アテロコラーゲンで包埋した74-merのSSOsを用いた系が約10%と最も高い変換率を示した。最後にSSOsによるin vivoでの遺伝子変換を検討したところ、家兎の眼において約1%、マウスの内因性のTTR遺伝子をVal30Metに変換したトランスジェニックマウスの肝臓において約8.7%の遺伝子変換を認めた。現在、in vivoでの遺伝子変換率の向上を図るために、SSOsの構造およびdrug delivery system (DDs)の改善を検討しているところである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Eneqvist T, Olofsson A, Ando Y, et al.: "Disulfide-bond formation in the transthyretin mutant Y114C prevents amyloid fibril formation in vivo and in vitro"Biochemistry. 41. 13143-13151 (2002)

  • [文献書誌] Niraula TN, Haraoka K, Ando Y, et al.: "Decreased thermodynamic stability as a crucial factor for familial amyloidotic polyneuropathy"J Mol Biol. 320. 333-342 (2002)

  • [文献書誌] Ikeda, S., Nakazato, M., Ando, Y., Sobue, G.: "Familial amyloidotic polyneruoapthy in Japan : Clinical and genetic heterogeneity"Neurology. 58. 1001-1007 (2002)

  • [文献書誌] Ando, Y., Nakamura, M., Kai, et al.: "A novel localized amyloidosis associated with lactoferrin in the cornea"Lab Invest. 82. 757-766 (2002)

  • [文献書誌] Haraoka K, Ando Y, Ando E, et al.: "Amyloid deposition in ocular tissues of patients with familial amyloidotic polyneuropathy (FAP)"Amyloid. 9. 183-189 (2002)

  • [文献書誌] 中村政明, 安東由喜雄, 内野誠: "家族性アミロイドポリニューロパチーの遺伝子治療"神経内科. 55. 525-529 (2001)

  • [文献書誌] Sukuro araki, Yukio Ando: "Familial amyloidotic polyneuropathy : Recent progress in Kumamoto, 1967-2002"Kumamoto Copy Co.. 73 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi