研究課題/領域番号 |
13670659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
橋口 照人 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (70250917)
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研究分担者 |
山口 宗一 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20325814)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20082282)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | VFGF / platelet / Crow-Rukase syndrome / POEMS syndrome / transgenic mouse / megakaryocyte / atherosclerosis / diabetic retinopathy |
研究概要 |
血小板性VEGFがその病態に一次的に関与している最も代表的なCrow-Fukase症候群の患者血小板の解析により血清中に著明に増加しているVEGFはすべて血小板由来であり血小板の凝集反応の際に放出されることが明らかとなった。またこのVEGF放出反応はADPなどの血小板凝集アゴニストの生理的濃度において認められることを証明した。また血小板細胞質内のVEGFをflow-cytometry、immunofluorescence-confocal laser scanning microscopyにて確認した。これらの解析より悪性疾患・炎症性疾患等において上昇を認める血清VEGFは全て血小板由来であることが改めて認識され、更にautocrine/paracrineに作用するVEGFと血小板に存在し全身を循環するVEGFとは発生・発達の段階よりその作用に役割分担があるものと強く示唆された。血小板VEGFは血管リモデリングに強く関わっているgelatinase A (matrix metalloproteinase-2)による血小板の刺激によっても放出されることを証明した(投稿中)。また、血栓部位のフィブリンネット上にVEGFが染色されることを示した(投稿中)。これらの結果より血小板VEGFはPDGF、PD-ECGF、TGF-βなどの血小板に存在するその他の増殖因子と伴に例えば創傷治癒、動脈硬化、血管新生、血管リモデリング等に深く関与していると推測される。この様な観点に立ち我々は血小板VEGFの概念を提唱した。血小板VEGFの概念を具現化するためにVEGF血小板特異的発現トランスジェニックマウスの作成を試みた。血小板特異的にVEGFを発現させるため、血小板第4因子のプロモーターの下流にLox P-EGFP-LoxP-VEGF165の構成を持つコンストラクトを作成した。3系統のF0マウスを得ることに成功し現在F1マウスを取得中である。本マウスの解析により、血小板VEGFの本症候群の病態への関与のみならず、血小板VEGFの生理的機能の解析が可能になると思われる。またVEGFと関連の深い種々の病態-糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、癌の転移の病態等-における血小板VEGFの位置づけが明確になると期待している。
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