研究概要 |
局所脳虚血モデル動物におけるアポトーシス関連蛋白の発現解析 ラットおよびマウスの局所脳虚血-再灌流モデルを作製し,神経細胞死の病理組織学的解析(TUNEL method)によるアポトーシスの評価を行い,再灌流後の梗塞巣が拡大する過程の神経細胞死にアポトーシスが関与することを確認した.酸化的ストレス抑制関連蛋白ではMn SODおよびCu/Zn SOD, Ca2+制御関連ではCalbindin D28kの発現を免疫組織化学法により病理組織学的解析を行っている.また,アポトーシスとの関与が報告されているglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH)に注目し,GAPDHが虚血性神経細胞死に先行して過剰発現し,細胞質から核へ移行することでアポトーシスが誘導されることを証明した. アデノウイルスベクターおよびアデノ随伴ウイルスベクターの濃縮,精製 P3実験室にて,Adenovirus MnSOD,Adenovirus Cu/Zn SOD,Adenovirus lacZの濃縮,精製を行い,ウイルスタイターの調整を行っている.さらに,Calbindin D28k遺伝子のAdenoassociated virus vector(AAV)への組み込みを進めている. モデル動物へのウイルスベクター投与および遺伝子導入とその評価 ラットの片側脳内(大脳基底核)へAdenovirus lacZをsterotaxicに前投与を行い,導入効果を検討中である.また,アポトーシスの制御に関与するApaf1遺伝子のAAVへの組み込みと濃縮,精製およびウイルスタイターの調整は完了しており,研究分担者の望月が変性疾患のモデル動物へ投与し,神経細胞死が制御されることを証明し,Proc Natl Acad Sci USA誌に発表掲載された.
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