新規二種ミクログリア分化増殖因子の脳・アストロサイト・ニューロンに於ける産生機構

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13670683
• 研究機関: 国立精神・神経センター
• 研究代表者: 菊池 愛子 国立精神・神経センター, 神経研究所・微細構造研究部, 室長 (70159010)
• 研究分担者: 加茂 功 国立精神・神経センター, 神経研究所・微細構造研究部, 室長 (70108489)
• キーワード: ミクログリア / ニューロン / アストロサイト / 胸腺筋様細胞 / モノサイト

研究概要

新規80-kDaと100-kDa因子の研究
80-kDaと100-kDa新規二種の因子は両者とも胸腺の筋様細胞細胞の生理機能研究を通して見い出された新規因子で、両者とも骨随細胞に作用し、モノサイト系の造血分化増殖を特異的に誘導する因子である。さらに両因子は腹腔浸出細胞や、脳ミクログリアの分化増殖を誘導する。モノサイト系細胞の分化誘導に必須とされる。GM-CSFとM-CSFの遺伝子が欠損するマウスでも血流にモノサイト系細胞が出現することから、これら以外の造血因子の存在が指摘された。我々の二因子はこれに相当し、モノサイト系細胞の臓器特異性や多様性に関与する因子と考えられる。最近我々は数種の脳内細胞がこれら二因子を活発に産生し、ミクログリアの分化増殖ばかりでなく、神経細胞の生存維持にも重要な作用をすることをみいだした。二因子の多様な作用はさらに、免疫反応の場でも見い出された。両因子はIL-2と相乗的に作用し、抗原特異的B-細胞の増加を著しく促進した。このような多岐に渡る生理機能を持つ二つのサイトカインは常に同時産生されていることから、その生理的意義を追求している。本研究では、特に、脳内における生理作用を追求し、培養細胞を用いて解析し、その生産細胞の特定化、生理査証の解析を行った。

研究成果

• [文献書誌] Kikuchi, A., Kikuchi, T., Tomoyasu, H., Iwakami N., Fukushima, T.: "Analysis of B-cell proliferation mechanism in the myasthenic hypertrophic thymus, Differentiation"J. Neurological Sci.. 199. S95 (2002)
• [文献書誌] Kamo, I., Tomoyasu, H., Kikuchi, A.: "Cytokine field of hyperplastic thymus associated with myasthenia gravis,"J. Neurological Sci.. 199. S95 (2002)
• [文献書誌] Tomoyasu, H., Kikuchi, A., Kamo, I.: "Analysis of B-cell proliferation mechanism in the myasthenic hypertrophic thymus,"Differentiation. 375-375 (2002)
• [文献書誌] Kikuchi, A., Kamo, I.: "Haemopoietic biglycan and IL-2 synergistically induce antigen-specific B-cell proliferation-A potential mechanisam of anti-AChR antibody prodcution in the"Tohoku J. Exp. Med.. (In press). (2003)
• [文献書誌] Kikuchi A., Kamo I.: "Cytokine field of hyperplastic thymus asociated with myashenia gravis 10^<th> International Congress of Neuromuscular Diseases. July 11 2002 Vancouver"Pandali Research Sinppos. (In press). (2003)