研究課題/領域番号 |
13670701
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (30293632)
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研究分担者 |
林 秀晴 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50135258)
寺田 肇 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50252177)
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キーワード | 心不全 / カルシウム / 筋小胞体 / FK506結合蛋白 / 興奮収縮連関 |
研究概要 |
心筋細胞において、筋小胞体(SR)からのCa^<2+>依存性Ca^<2+>放出(CICR)は、Ca^<2+> transient(CaT)の大部分を構成している。FK-binding protein(FKBP)は、SRのryanodine receptor(RyR)に結合し、SRからのCICRを制御している。免疫抑制剤のFK506はFKBPをRyRから解離させてRyRの不安定な開口を促進し、SRからの過剰なCa漏出をきたす。最近、FKBPのRyRからの解離が不全心筋におけるCa代謝障害の一因として注目されている。我々は、平成13年度には共焦点レーザー顕微鏡を用い、蛍光色素を負荷したrat心室筋細胞において、電気刺激時のCaTとCa^<2+> sparkを、またcaffeine負荷時のCaTの振幅によりSRのCa^<2+>含量を測定し、これらに対するFK506の効果を検討した。結果は、(1)FK506(50μM)は定常電気刺激時のCaTの振幅とCa^<2+> sparkの頻度を増大させたが、静止後のCaTとSRのCa^<2+>含量は変化させなかった。(2)thapsigarginによるSRのCa^<2+> ATPase(SERCA)阻害、またはCa^<2+>除去液(0Ca)の灌流による細胞膜Na^+/Ca^<2+>交換を介するCa^<2+>排出の促進により、静止後のSRのCa^<2+>含量は有意に低下したが、FK506はこの低下に影響を及ぼさなかった。(3)thapsigarginと0Ca液の同時灌流では、FK506は静止後のSRのCa^<2+>含量をより低下させる傾向があった。以上より、FKBPの解離は、正常の興奮収縮連関への影響は少ないが、不全心で認められるSERCAの低下とNa^+/Ca^<2+>交換の代償性活性化がともに存在するとSRのCa^<2+>含量を低下させて収縮力低下の一因となりうることが示された。平成14年度には、Dahl ratにて心不全modelを作成し、不全心筋細胞におけるFKBPの役割をさらに検討する予定である。
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