研究課題/領域番号 |
13670709
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楽木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20252679)
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研究分担者 |
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30311757)
大石 充 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50335345)
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キーワード | 動脈硬化 / 遺伝子多型 / 脈波速度 / 血管内皮機能 / 高血圧 |
研究概要 |
高血圧の成因や臓器合併症を考えた場合、動脈硬化の評価は、血圧以外の中間型表現型として重要である.また、高血圧患者での表現型の収集には、非侵襲的検査法の導入が必須である。本研究では、非侵襲的動脈検査評価法の確立をひとつの目標にしてきた。内皮機能の指標としてのプレチスモグラフィーや血管剛性の指標としての脈波速度(PWV)に加え、PWVより簡便な方法としての上腕オシロメトリーによる動脈剛性指標(ASI)や、冠動脈微小循環レベルでの冠予備能をアデノシン負荷による前下降枝血流速度の変化をドプラー法により測定する方法も導入した。それぞれの臨床応用価値を明らかにするとともに、いくつかの指標について、機能的遺伝子解析を進めた。 遺伝子解析は、交感神経関連でβ3-アドレナリン受容体、酸化ストレス関連で8-OHdG DNA glycccylase(hOGG1)、インスリン抵抗性関連でアディポネクチン、炎症関連でMCP-1、MCP-1受容体であるCCケモカイン受容体2、インターロイキン-15、ICAM-1など多岐にわたって検討した。個々に、動脈硬化や血圧との関連が認められるものもあったが、それぞれの因子の機能や、相互に連鎖して機能するについて、細胞レベルでの実験を含めて検討を続けている。この結果により、機能的に連関する一連の因子の、遺伝子解析の臨床的意義を明らかにできると考えている。 一方、生理機能や蛋白-蛋白連関が明らかでない蛋白質の機能解析を進めることで、遺伝子解析から明らかにされる新規の情報伝達系を解析できる基盤作りを進めた。Klotho遺伝子の機能解析はその一つであり、cAMPや一酸化窒素、Mn-SODに対する機能を明らかにすることができた。 今回の研究で、ヒト動脈硬化に関係する遺伝的負荷を明らかにするための表現型の収集と、いくつかの群単位で連関する遺伝子多型群の解析を進めることができた。さらに、未知の機能性蛋白の機能解析を組み合わせることで、動脈硬化の予防と治療の面での展開医療につなげたいと考える。
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