研究課題/領域番号 |
13670713
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
久留 一郎 鳥取大学, 医学部, 助教授 (60211504)
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研究分担者 |
荻野 和秀 鳥取大学, 医学部, 講師 (70294311)
谷口 晋一 鳥取大学, 医学部, 助手 (30304207)
井川 修 鳥取大学, 医学部, 講師 (80252857)
森崎 隆幸 国立循環器病センター, バイオサイエンス, 部長 (30174410)
佐々木 紀仁 鳥取大学, 医学部, 助手 (70346336)
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キーワード | イオンチャネル / プロテアソーム / Na^+ channel阻害剤 / ユビキチン化 |
研究概要 |
心房細動の持続によりイオンチャンネルが減少し薬剤抵抗性となる事が知られている。Kv1.5channelは僧帽弁疾患に合併する慢性心房細動時に減少する事が明らかになっている。本研究ではKv1.5channelの分解機構を明らかにし、これを利用してイオンチャンネルを再生させる薬剤の探査を目的とした。 1)培養細胞を用いたイオンチャンネル蛋白の分解系の解明 培養COS7細胞にFLAGのtagがついたKv1.5 channel(Kv1.5-FLAG)cDNAを遺伝子導入しKv1.5-FLAGの蛋白量、安定性、ユビキチン化に対してのproteasome系またはlysosomal系阻害剤の効果を検討した。Kv1.5-FLAGはubiquitin化されproteasomeにより半減期6.7時間で分解され、proteasome阻害は蛋白量を増し、蛋白を安定化し、ubiquitin化を促進する事が判明した。Kv1.5-FLAGは小胞体およびゴルジ装置に分布し、proteasome阻害は分布を変えず小胞体及びゴルジのKv1.5-FLAGが有意に増加した。この現象はlysosomal阻害では再現できなかった。Patch-clamp法にてproteasome阻害は細胞膜のIkur(Kv1.5-FLAG由来電流)を増加し、この増加作用はGolgi輸送阻害や微小管脱重合により完全に抑制された。2)新たにNa^+ channel阻害剤に認められたProteasome阻害作用の検討 Na^+ channel阻害剤はKv1.5-FLAGを蛋白量増加、安定化しユビキチン化を促進したがCa^<2+>拮抗薬やK^+ channel抑制薬には認められなかった。Na^+ channel阻害剤は分布を変えず小胞体及びゴルジのKv1.5-FLAGを有意に増加し、さらにIkurの有意な増加を来たした。In vitro assayではNa^+ channel阻害剤は20S proteasome活性を容量依存性に阻害した。またNa^+ channel阻害剤はprimary cultureのラット心房筋のKv1.5蛋白を安定化しubiquitin化を促進した。さらにNa^+ channel阻害剤はproteasomeにより分解される転写因子であるIKK2の蛋白量を増加安定化しubiquitin化を促進した。3)心房細動心房筋Kv1.5のubiquitin化の促進の検討 開心術時に得られた右心耳心房筋のKv1.5蛋白量は洞調律に比較して心房細動で有意に減少しさらにubiquitin化が有意に促進されていた。4)心房細動患者のKv1.5遺伝子多型の検討 現在心房細動患者における複数のKv1.5遺伝子多型を検討している。
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