研究課題/領域番号 |
13670714
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
江森 哲郎 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (20273964)
|
研究分担者 |
大江 透 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70263556)
中村 一文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10335630)
|
キーワード | 心不全 / Brugada症候群型 / 心房細動 / 有効不応期 / 伝導遅延 / 酸化ストレス / 拡張型心筋症 |
研究概要 |
Brugada症候群はNaチャネル遺伝子の異常が原因の一つとして考えられており、心電図上再分極過程の異常も疑われている。Brugada症候群の患者においては、心房細動が正常心電図の人に比べて有意に多かったが、心房の有効不応期には有意な差はなかった。心房間の伝導時間は有意に長かった。Brugada症候群患者は心房細動が誘発されたが正常者は誘発されなかった。以上よりBrugada症候群患者は心房細動になりやすい性質を持っていることが示唆された(J Am Coll Cardiol.2002;40:1437-1444)。心房細動は心不全を起こすことも知られており、今後、Brugada症候群患者が心房細動および心不全をおこさないか、観察していく予定である。Brugada症候群では心外膜がわに伝導遅延をみとめることも報告し(J Am Coll Cardiol.2002;39:1992-5)。このような遅延した電流が心臓の再分極過程の異常に基づくものか今後検討予定である。 心不全の原因として近年酸化ストレスが注目されている。しかしながらヒトの不全心筋において酸化ストレスの発生が増強しているかどうか直接の証拠はまだない。さらにβブロッカーによる治療が酸化ストレスに及ぼす影響も明らかでない。そこで我々は、拡張型心筋症患者の心筋において過酸化脂質が増加しているか、さらにCarvediol投与後に心筋における過酸化脂質のレベルが減少するかどうかを検討した。拡張心筋症の患者では過酸化脂質の代謝産物である4-Hydroxy-2-noncnal(HNE)修飾蛋白質が増加していた。Carvecdiol投与によって心機能の改善とともに酸化ストレス(HNE修飾蛋白質)が減少した(circulation 2002;105:2867-2871)。今後酸化ストレスと再分極異常、不整脈の発生について検討していく予定である。
|