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2002 年度 実績報告書

虚血再灌流時の心筋細胞死とミトコンドリア機能とのミッシングリンクを解く

研究課題

研究課題/領域番号 13670716
研究機関山口大学

研究代表者

池田 安宏  山口大学, 医学部, 寄附講座教員 (00260349)

キーワードIschemic preconditioning / プロテインキナーゼC / ミトコンドリアK-ATPchannel / ベータ遮断薬 / Ca paradox / 低体温 / アポトーシス
研究概要

虚血プレコンディショニンゲの機序にプロテインキナーゼCが関与していることが最近明らかになったが、PKCの下流の機序については不明な点が多い。われわれはLangendolff摘出灌流心モデルを用い虚血プレコンディショニングおよびミトコンドリアATP感受性カリウムチャネル開口薬を用いてPKC isoformのミトコンドリア膜分画への転位をWestern Blottingにて検討し、PKCδの有意な転位をみいだした。
また、虚血再灌流障害の予防においては、ミトコンドリアK-ATPchannelの開口が虚血時の代謝を改善することによって、虚血再灌流障害を軽減するのにたいし、Calcium paradoxにおいてはミトコンドリアによる代謝制御は大きな影響をもたらさないことが判明した。このことは、Ischemic preconditioningの機序として虚血中の心筋代謝の制御がミトコンドリアK-ATP channelを解した機序で行われるのに対し、細胞膜のprimaryな変化によって引き起こされる心筋障害にはミトコンドリアK-ATP channelは作用しないと考えられ、虚血再灌流障害の予防に対する方策に異なった機序が存在することが明らかとなった。
さらにラット新生児培養心筋を用いた活性酸素によるアポトーシスの検討ではミトコンドリア膜電位の変化を抑制するベータ遮断薬によりアポトーシスの発生が有意に抑制されることを見出し、活性酸素によるアポトーシスにミトコンドリアを介する経路が関与し、その遮断に、ある種のベータ遮断薬が有効であることが判明した。このことは虚血再灌流障害の機序のひとつに活性酸素の関与が指摘されているが、ある種のベータ遮断薬がミトコンドリアを介したアポトーシス抑制により虚血再潅流障害の改善が期待されることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Toshiro Miura: "Isehemic Preconditioning Attenuates Cardiac Sympathetic Nerve Injury via ATP-Sensitive Potassium Channels During Myocardial Ischemia"Circulation. 104・9. 1053-1058 (2001)

  • [文献書誌] Yuka Dairaku: "Effect of Ischemic Preconditioning and Mitochondrial K_<ATP> Channel Openers On Chrnic Left Ventricular Remodering in the Ischemic-Reperfused Rat Heart"Circulation Journal. 66・4. 411-415 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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