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2001 年度 実績報告書

高血圧病態における血管平滑筋および内皮のカリウムチャネルの発現と機能変化

研究課題

研究課題/領域番号 13670720
研究機関九州大学

研究代表者

大屋 祐輔  九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (30240964)

キーワード高血圧 / イオンチャネル / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / 血管 / カリウムチャネル
研究概要

高血圧で生じる血管平滑筋細胞と内皮細胞のイオンチャネルの変化について、検討を行った。
高血圧ラットであるSHR-SPではその正常血圧コントロールであるWKYに比較し、血管内皮依存性拡張が障害されている。この変化は、superoxide dismutaseの投与により一部改善するため、SHR-SP血管での活性酸素の産生増加が、そのメカニズムの一つと考えられた。血管内皮細胞を単離し、パッチクランプ法で膜電流を記録すると、SHR-SPではWKYに比較して、4-ammopyridine感受性カリウム電流が減少していた。また、膜電位はSHR-SPにおいてWKYに比較して、より脱分極しており、4-ammopyridineの投与によりその差が消失した。免疫染色法では、SHR-SPの血管内皮細胞におけるKv1.5蛋白の染色性が減少していた。このKv1.5蛋白は4-aminopyridne感受性カリウムチャネルの構成成分の一つであることが知られている。よって、SHR-SPに見られるKv1.5蛋白の発現の減少が、4-aminopyridine感受性電流の減少を介して、膜電位の脱分極に関連する可能性が考えられた。血管内皮細胞では、細胞の脱分極が活性酸素産生を増加させることが知られており、今回の結果より、Kv1.5蛋白減少が、高血圧における内皮依存性拡張の障害の一つのメカニズムであると考えられた。
アンジオテンシンIIは、高血圧の病態で重要な役割を有する。アンジオテンシンIIは、細胞膜に存在する受容体に結合しその生理作用を発現する。一方、アンジオテンシンIIが血管平滑筋細胞の中にも存在することが知られているが、その役割は不明である。われわれは、細胞内にアンジオテンシンIIを注入することで、カルシウムチャンネルの活性化が増加することを見いだした。この現象は、細胞内へのアンジオテンシンタイプ1受容体拮抗薬投与で抑制されたが、タイプ2受容体拮抗薬投与は無効であった。また、細胞外へのタイプ1受容体拮抗薬投与も無効であった。以上より、細胞内にはタイプ1受容体類似のアンジオテンシン結合部位が存在することが解った。
今後、以上の変化が、チャンネル蛋白やmRNAレベルの変化に起因するか否かについて検討を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Eto K, Ohya Y, Nakamura Y, Abe I, Iida M.: "Intracellular Angiotensin II stimulates voltage-operated Ca^<2+> channels in arterial myocytes"Hypertension. (In press). (2002)

  • [文献書誌] Eto K, Ohya Y, Nakamura Y, Abe I, Fujishima M.: "Comparative actions of insulin sensitizers on ion channels in vascular smooth muscle"Eur J Pharmacol. 423. 1-7 (2001)

  • [文献書誌] Sadanaga T, Ohya Y, Ohtsubo T, Goto T, Fujii K, Abe I.: "Decreased 4-aminopyridine sensitive K^+ currents in endothelial cells from hypertensive rats"Hypertens Res. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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