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2001 年度 実績報告書

心筋虚血におけるギャップ結合の調節と細胞壊死への関与の検討

研究課題

研究課題/領域番号 13670731
研究機関札幌医科大学

研究代表者

三浦 哲嗣  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (90199951)

研究分担者 鵜野 起久也  札幌医科大学, 医学部, 助手 (50305223)
三木 隆幸  札幌医科大学, 医学部, 助手 (00336405)
キーワード心筋虚血 / ギャップ結合 / コネキシン / Cキナーゼ
研究概要

心筋虚血ならびに心筋虚血耐性の変化とギャップ結合蛋白connexin 43の関連を検討し、以下の所見を得た。
1.ウサギの摘出灌流心標本から採取した心筋サンプルの細胞質分画、intercalated disk分画、細胞膜分画それぞれにおけるconnexin43の蛋白レベルならびにその脱リン酸化をWestern blottingで解析した結果、心筋虚血30分までの経過では、connexin43の総蛋白レベル、またその細胞内分布には変化がないが、虚血の経過とともにその脱リン酸化が起こることが示された。またこの成績は免疫組織学的な解析の結果とも一致した。
2.心筋虚血耐性を増強させる操作としてpreconditioning(PC)を行うと、protein kinase C-εの細胞質から細胞膜へのtranslocation、p38MAP kinaseの活性化がみられたが、PCは虚血によるconnexin43の脱リン酸化を促進することが示された。
3.心筋虚血直後からheptanol、あるいは18β-glycyrrhetinic acidを用いてギャップ結合機能を阻害した場合、30分の心筋虚血・再灌流後の心筋細胞壊死量は対照群の60%〜20%に抑制された。一方、再灌流直後からこれらギャップ結合阻害薬を投与した場合には、こうした心筋細胞保護効果は認められなかった。また、ギャップ結合の開口を促進するために、isoproterenolを用いてprotein kinase Aを活性化するとPCの心筋保護効果が阻害された。
以上の成績より、「PCがprotein kinase C-εの活性化によりconnexin43のリン酸化を促進し心筋虚血の早期からギャップ結合が閉鎖することが心筋虚血耐性を増強する」という我々の仮説のうち、ギャップ結合の閉鎖と心筋虚血耐性との関連については支持されたが、PCによるprotein kinase C-εやp38MAP kinaseを介したconnexin43のリン酸化はむしろ否定的と考えられた。今回の検討からはprotein kinase C-εが間接的にconnexin43の脱リン酸化を促進することがギャップ結合の閉鎖、心筋虚血耐性の増強に寄与する可能性が考えられる。そこで、protein kinase C-εとconnexin43の脱リン酸化機構との関連を現在解析中である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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