研究課題/領域番号 |
13670734
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
植田 真一郎 琉球大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80285105)
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研究分担者 |
瀧下 修一 琉球大学, 医学部, 教授 (90108712)
島袋 充生 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (60271144)
安成 憲一 大阪市立大学, 医学部, 講師 (90231646)
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キーワード | アンジオテンシン(1-7) / アンジオテンシンII / 酸化ストレス / 心不全 / ACE阻害薬 |
研究概要 |
1.ヒト前腕抵抗血管におけるアンジオテンシン1-7の抗酸化作用 我々は以前の研究でAngiotensin IIがヒト前腕抵抗血管においてAT1受容体を介して酸化ストレスを増大させ、結果としてNOドナーであるニトロプルシッドやニトログリセリンの血管拡張作用を減弱させることを見いだした。今回我々はAngiotensin (1-7)をAngiotensin IIと同時投与し、酸化ストレス増大作用への影響を検討した。結果として1000pmol/minのAngiotensin (1-7)は5pmol/minのアンジオテンシンII動注(2時間)によるニトロプルシッドの血管拡張作用減弱を改善した。このことからAngiotensin (1-7)はAngiotensin IIの酸化ストレス増大作用を抑制すると考えられた。 2.THP-1細胞おけるAngiotensin (1-7)のin vitro抗酸化作用 我々は培養ヒトTHP-1細胞に24時間Pobor myristate acetateを作用させヒトマクロファージのモデルを作り、Angiotensin IIによる酸化ストレスを蛍光色素を用いてフローサイトメトリーで測定し、Angiotensin (1-7)の作用を検討した。Angiotensin (1-7)は、Angiotensin IIによる酸化ストレスの増加を用量依存性に抑制した。以上より、Angiotensin (1-7)はAngiotensin IIの作用をポストレセプターレベルで阻害することで酸化ストレスを抑制すると考えられた。 3.心不全におけるAngiotensin (1-7) 8名のACE阻害薬服用中の心不全患者および年齢の適合するACE阻害薬服用中の高血圧患者のAngiotensin (1-7)を測定した。心不全患者では高血圧患者に比べ20倍以上高値であった(median (range)心不全患者744.4pmol/L (184-979)、ACE服用中の高血圧患者34.3pmol/L(16-110))。心不全ラットにおいてAngiotensin (1-7)の投与が心血行動態を改善したと言う報告があり、ACE阻害薬投与中の心不全患者では上昇したAngiotensin (1-7)がなんらかのbeneficial effectをもち、ACE阻害薬の予後改善作用に貢献している可能性がある
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