研究課題/領域番号 |
13670736
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山川 正 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (30264641)
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研究分担者 |
川本 進 横浜市立大学, 医学部・細菌学, 講師 (80125921)
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キーワード | cyclooxygenase 2 / p42 / 44MAPK / p38MAPK / 酸化LDL / 動脈硬化 |
研究概要 |
まず、酸化LDLにより、血管平滑筋(VSMC)のCyclooxygenase 2(COX2)発現亢進が認められるか否かを検討した。10%牛胎児血清にて培養したVSMCを酸化LDLで刺激し、1〜24時間後のmRNAをISOGENを用いて採取し、Northern blotを施行した。COX2は6時間をピークに発現亢進が認められた。COX2蛋白質の発現もやはり亢進していることがWestern blotにより明らかとなった。Northern、Westernの結果はスキャナーにより取り込みFigureを作成する予定である。次にこの発現亢進にMitogen Activated Protein kinase(MAPK)が関与しているかどうか検討した。MEK1阻害薬であるPD98059、p38MAPKを選択的に阻害するSB203580前処置によりCOX2発現はそれぞれ有意に抑制されたが完全ではなかった。両者の併用によりCOX2発現は完全に抑制された。このことから、酸化LDLによるCOX2発現にはp42/44MAPK、p38MAPKの両経路の関与が示唆された。サイトカインや、増殖因子の刺激によりCOX2は誘導され、プロスタグランジンの産生を介して動脈硬化巣の炎症の進行に深く関与している。そこで、酸化LDL刺激によりVSMCがPGを産生するかかどうか検討した。酸化LDL刺激後の培養上清中のPGE2、TXA2濃度をELISAにて測定したところ、酸化LDL刺激により上清中のPGE2、TXA2濃度は結いに上昇した。この有意な増加はPD98059、SB203580前処置により抑制された。また、選択的COX2阻害薬であるNS-398によりPGE2、TXA2分泌は抑制された。(尚、Western、細胞培養、ELISAのどは実験補助者である園田によって施行された。) 以上により、酸化LDLによる動脈硬化はMAPKを介したCOX2発現亢進によるプロスタグランジン産生亢進が関与していることが明らかとなった。現在、cox2のdominant negative mutantを作成中し、更に詳細な機序の解明を目指している。
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