研究概要 |
骨髄間質細胞移植による心筋梗塞後心臓リモデリング・心不全の進展阻止のテーマにて研究した。今年度は、ウイスターを用い、心筋梗塞作成した。心筋梗塞作成一日目にラット培養心筋細胞を梗塞部位に注入を試みた。病理組織学的に心筋細胞が注入され組織に定着したことは、確認できた。治療効果判定年関しては、経時的に心エコードプラ法を施行して収縮能、拡張能、心形態を検討した。旁胸骨部よりエコービームをいれて、心臓の各断面の短軸像、及び長軸像を測定し,心尖部アプローチよりModified Simpson's Methodにより駆出率を求めた。ドプラ法にて、僧帽弁口のE波A波を検出して、E velocity, V velocity, E/A ratio, deceleration timeを測定した。今回の冶療効果の細胞内情報伝達系も検討した。梗塞部位、非梗塞部位のERK、JNK, tyc JAKの活性をウエスタンブロット法、AP-1,Sp-1, STAT, ATF-2, NF-kBをゲルシフトアッセイ法により、心筋関連遺伝子のmFNA発現をノーザンブロット法にて測定した。 移植を希望するレシピエントの骨髄から得た心筋細胞でできるとすれば、移植に伴う拒絶反応も原則として生じないものと考えられる。骨髄由来の心筋細胞を大量に増殖し、心臓に移植することができればこれらの問題は解決できる。今回の研究はそのための一歩を踏み出した研究であると位置付けをしている。
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