研究課題/領域番号 |
13670766
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
赤阪 隆史 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70322584)
|
研究分担者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
キーワード | 冠循環 / 虚血性心疾患 / 冠動脈狭窄 / 冠内圧 |
研究概要 |
1.冠動脈狭窄度と冠動脈狭窄近位部圧・遠位部圧関係(実験的検討) 雑種成犬において種々の冠動脈狭窄モデルを作成し、狭窄近位部圧をガイディングカテーテル圧、遠位部圧を圧ワイヤーによる圧で計測し、多チャンネル同時記録装置(BIOPAC System MP100A)を用いて心電図と同時記録し、コンピューター(使用ソフト;AckKnowledge)解析し、最大冠拡張時の冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係を直線回帰した。冠動脈狭窄率(x)と冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係直線の傾き(y)との間にはy=0.03x+0.7(r=0.93、P<O0.001)の有意な相関を認めた。この相関関係は、近位部および遠位部圧のドリフトに影響されないことも判明した。 2.臨床例における検討 狭心症21例(34病変)における検討では、冠動脈狭窄率(x)と冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係直線の傾き(y)との間にはy=0.04x+0.5(r=0.81、P<0.001)の良好な相関を認め、冠血流予備量比(FFR)(x)と冠動脈狭窄率(x)との相関(y=-0.006x+0.96、r=0.80、P<0.001)と同等以上の相関を示した。平成14年度には、陳旧性心筋梗塞例や糖尿病例を含む23例の狭心症例において追加検討し、これらの症例では従来の相関関係から外れる症例があることが判明した。これらの冠動脈微小循環障害例に関してはさらに症例を追加して検討する必要があり、今後も研究を進める予定である。また、必要に応じて、微小循環障害モデルを作成し、実験的にも検討を進める予定である。これらの問題が解決されれば、本研究において検討した冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係直線の傾き(y)は冠動脈狭窄の新しい生理学的指標となりうると考えられた。 3.冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係直線の傾きの自動解析の試作 冠動脈狭窄近位部圧-遠位部圧関係直線の傾きの自動解析では、回帰直線の開始は大動脈圧切痕をトリガーとすることで決定できるが、終了のタイミングの決定になお検討を要し、追加研究により完成を目指す予定である。
|