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2001 年度 実績報告書

糖尿病性・心筋微小循環異常における血球マイクロレオロジーと毛細血管構築異常の関与

研究課題

研究課題/領域番号 13670772
研究機関川崎医療短期大学

研究代表者

松本 健志  川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)

研究分担者 小笠原 康夫  川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
片岡 則之  川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
後藤 真己  川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
梶谷 文彦  岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
キーワード心筋微小循環障害 / 血液マイクロレオロジー / 血流不均一性 / 分子血流トレーサ / デジタルラジオグラフィ / 血液交叉潅流
研究概要

【目的】我々はエネルギーの異なる2種の放射性分子トレーサ(^3H-DMI、^<125>I-DMI)を利用した心筋内血流分布の高解像度イメージング法を開発し、小動物・摘出心の血流分布およびその変化を微小循環レベルで計測することを可能とした。初年度はこれをラット交叉潅流モデルへ応用し、血液潅流とクリスタロイド潅流との相違を解析した。
【方法】交叉潅流モデルでは、供血ラットと別のラットより摘出した受血心を利用する。まず、麻酔・呼吸管理下において、供血ラットの両側頸動脈および大腿静脈にカニュレーションし、ウォーミングジャッケットリザーバ(37℃)に送血した。次いで、タイロード潅流によるランゲンドルフ心を作製し、タイロード潅流から動脈血リザーバによる血液潅流に切り替えた。受血心に対する動脈血リザーバ水頭圧は100mmHgに維持した。各潅流条件下においてトレーサを投与し、その分布を比較した。
【結果・考察】分布の不均一性を示すCV(=標準偏差÷平均値)はタイロード潅流時に比べ血液潅流時に有意に大きく、血液潅流の不均一性が高いことが示された。また、CVはピクセルサイズの減少ともに増加し、800μmから400μmの減少に対し、タイロード潅流では26%、血液潅流では14%の減少率であった。ピクセルサイズが400μmから100μmにかけての毛細血管単位以下では、各々の潅流条件におけるCVの増加率は41%,19%であった。このことは、細動脈から毛細血管床に渡るレベルにおいてはタイロード潅流心に比べて血液潅流心でより均等な血流分配がなされていたことを示唆する。すなわち血液潅流心においては、上位の冠動脈における不均一な血流分配に対し、末梢側の細動脈、さらに、毛細血管床内における血球のレオロジカルな挙動は、血流不均一性を抑える働きを担っていると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takeshi Matsumoto: "Microheterogeneity of myocardial blood flow"Basic Res. Cardiol.. 96. 547-552 (2001)

  • [文献書誌] Eiji Toyota: "Dynamic changes in three-dimensional architecture and vascular volume of transmural coronary microvasculature between diastolic-and systolic-arrested rat hearts"Circulation. 105. 621-626 (2002)

  • [文献書誌] 松本健志: "分子トレーサ・デジタルラジオグラフィによる心筋微小循環血流イメージング"BME. 15. 32-36 (2001)

  • [文献書誌] 松本健志: "冠血流分布の不均一性(梶谷文彦編:冠循環のバイオメカニクス,第4.3節)"コロナ社. 7 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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