研究概要 |
1.HO-1ゲノム遺伝子のイントロンおよびAlu配列内に存在するトポイソメラーゼII結合配列の機能解析。 HO-1ゲノム遺伝子のエクソン2を挟んで存在するAluおよびイントロン配列にはトポイソメラーゼIIコンセンサス結合配列が複数存在する。相同組み換え修復の開始には二本鎖DNAの切断が必要である。これら潜在的トポイソメラーゼII合配列の中から機能的結合部位を固定するために、トポイソメラーゼ阻害剤を用いた二本鎖DNA切断点の検索を行った。 HO-1^<+/+>LCLを阻害剤(VP-16, doxorubicin)添加培養液で処理し、内因性トポイソメラーゼIIを阻害することによって生じたDNA断片をligation-mediated PCR(LM-PCR)にて増幅し、塩基配列を解析する。阻害剤で処理した細胞からのゲノムDNAを用いて、ビオチン標識したHO-1特異的プライマーとPfu DNA polymeraseによりprimer extension reactionを行った。その後T4 ligaseを用いてリンカーを結合させ、ストレプトアビチン結合マグネットビーズによりビオチン標識されたDNA断片を分離した。これを鋳型とし、リンカー特異的プライマー+HO-1遺伝子特異的プライマーを用いて増幅した。阻害剤処理ゲノムDNA特異的に複数の増幅バンドが得られ、現在塩基配列を解析中である。 2.Recombination hotの機能解析 エクソン2欠失後の再結合部位に保持された36-bp配列とそれにオーバーラップするAluコア配列の機能解析のためにゲルシフト法を用いてこの配列に特異的に結合する蛋白の検索を行った。 塩基配列を変化させた種種のビオチン標識二本鎖合成ヌクレオチドをプローブとして、各種癌細胞株、マウス胎児細胞由来の核抽出蛋白を検索した。Hela細胞でプローブ特異的結合蛋白が確認され、現時同定中である。
|