研究課題/領域番号 |
13670801
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷池 雅子 大阪大学, 医学研究科, 講師 (30263289)
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研究分担者 |
下野 九理子 大阪大学, 医学部付属病院, 医員(臨床研究)
毛利 育子 大阪大学, 医学部付属病院, 医員(臨床研究)
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キーワード | Twitcher / オリゴデンドログリア / 脱髄 / アポトーシス / DPR / プロスタグランディンD_2 / サイコシン / ニューロングリア相関 |
研究概要 |
リポカリン型プロスタグランディンD合成酵素(L-PGDS)の抗アポトーシス機構を遺伝性脱髄モデルマウスtwitcher(GALC^<twi/twi>)を用いて解明することが当研究の目的である。我々は、GALC^<twi/twi>脳においてPGD_2が野生型マウス脳の10倍以上増加していること、D-typeブロスタグランディンレセプター(DPR)がGALC^<twi/twi>の脱髄の進行と同時に増加し、肥大型アストログリアに発現することを見出した。ところが、L-PGDS欠損GALC^<twi/twi>でもPGD_2のレベルはGALC^<twi/twi>と等しく増加している一方、GALC^<twi/twi>脳ではL-PGDSのアイソザイムである造血型プロスタグランディンD合成酵素(HPGDS)も活性型ミクログリアやマクロファージに強発現しており、DPR陽性アストロサイトの局在はL-PGDS陽性オリゴデンドログリアではなく、HPGDS陽性ミクログリアの局在と一致することがわかった。この結果はDPRを介したPGD_2のシグナル伝達の主体であるPGDSはL-PGDSではなくHPGDSであり、L-PGDSの抗アポトーシス作用はPGD_2産生によるものではなく、リポカリンとしてのスカベンジャー作用によることを示唆している。今後、1)HPGDS欠損GALC^<twi/twi>においてPGD_2産生が抑制されるかどうかを解析することによりGALC^<twi/twi>においてどちらのPGDSが主としてPGD_2合成しているかを知ると同時に、2)アデノウイルスを介して酵素活性を失活させたL-PGDSをL-PGDS欠損GALC^<twi/twi>に遺伝子導入してL-PGDSの抗アポトーシス効果が発現するかどうか調べることによりL-PGDSの抗アポトーシス効果がPGD_2によるものか、リポカリン作用によるものかについて直接的な証拠を得る予定である。
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