• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

成人期発症シトルリン血症II型:新生児期臨床像の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13670804
研究機関鳥取大学

研究代表者

長田 郁夫  鳥取大学, 医学部, 講師 (50252846)

研究分担者 飯塚 俊之  鳥取大学, 医学部, 助手 (70271046)
大浦 敏博  東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10176828)
小林 圭子  鹿児島大学, 医学部, 教授 (70108869)
キーワードシトルリン血症 / NICCD / シトリン / 新生児肝炎 / 遺伝子変異 / 胆汁うっ滞
研究概要

成人期に発症するシトルリン血症II型(adult-onset citrullinemia type II, CTLN2)の遺伝子(SLC25A13)診断が可能になったが,新生児肝炎の臨床症状を呈する症例の一部にSCL25A13遺伝子の異常が認められることが明らかとなった.この遺伝子異常を認める症例の臨床像が明らかになり,neonatal intrahepatic cholestasis caused by citrin deficiency(NICCD)という新たな疾患概念として確立した(J Pediatr, 2001).臨床像としては,胆汁うっ滞,ビタミンK欠乏症,体重増加不良・多種高アミノ酸血症などが特徴としてあげられる.またその他にケトン血性低血糖,痙攣を合併する症例があり,NICCDとの関連が疑われる.なおビタミンK欠乏性の凝固検査異常を呈する症例は多いが,その原因として胆汁うっ滞による脂溶性ビタミンの吸収障害とともにミトコンドリア機能異常が考えられ今後の研究が必要である.肝組織像では胆汁うっ滞とともに脂肪肝・線維化の所見が認められることが明らかとなった.治療としては現在栄養療法としての中鎖脂肪酸含有特殊ミルク,蛋白制限,アミノ酸代謝異常用ミルクとともに,脂溶性ビタミンの補充・利胆剤投与などが有効で,これらにより,一部に低血糖症,痙攣が認められる症例があるものの殆どは2歳までに症状,検査所見が軽快することが判明した.なお,研究が進むに従って経過観察期間が延びており,最長7歳まで異常所見を認めない症例が確認できている.また肝生検像は乳児期早期に認められた胆汁うっ滞,脂肪肝,線維化の所見は1歳の時点ではほぼ軽快し,3歳には線維化の所見も軽快する症例が確認されている.また同胞の検査では同胞に遺伝子異常が見られる場合殆どが同じ組み合わせの変異を呈するが,両者に胆汁うっ滞などの臨床症状が認められるわけではなく,一児にのみ認められることが多い.今後長期予後を含む臨床経過,同胞例の臨床症状,治療法などの検討を要する.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 長田郁夫, 田澤雄作: "新生児肝炎"小児科診療. 65. 435-437 (2002)

  • [文献書誌] 長田郁夫: "小児期肝疾患の臨床と問題点"島根県小児科医会会報. 14. 12-15 (2002)

  • [文献書誌] 友政 剛, 長田郁夫, 他: "本邦における小児炎症性腸疾患の内科的治療の現状"日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌. 16. 3-9 (2002)

  • [文献書誌] Yuan ZR, Okaniwa M, Nagata I, et al.: "The DSL domain in mutant JAG1 ligand is essential for the severity of the liver defect in Alagille syndrome"Clin Genet. 59. 330-337 (2001)

  • [文献書誌] Tazawa Y, Kobayashi K, et al.: "Infantile cholestatic jaundice associated with adult-onset type II citrullinemia"J Pediatr. 138. 735-740 (2001)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi