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2001 年度 実績報告書

先天性好中球減少症をモデルとした骨髄顆粒球系細胞分化と遺伝子発現

研究課題

研究課題/領域番号 13670806
研究機関広島大学

研究代表者

小林 正夫  広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (00162016)

研究分担者 加藤 修  広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (90214361)
キーワード先天性好中球減少症 / 好中球エラスターゼ遺伝子 / 顆粒蛋白 / 遺伝子発現 / 骨髄顆粒球系前駆細胞 / G-CSF受容体
研究概要

先天性好中球減少症の多くの患者では好中球エラスターゼ遺伝子の変異がみられることが近年報告されたが、病態との関係は明らかでない。本研究では従来より報告してきた骨髄顆粒球系細胞の増殖・分化異常と好中球エラスターゼを含んだ顆粒蛋白遺伝子発現の検討を行った。骨髄顆粒系前駆細胞はFACSにてCD34陽性・G-CSF受容体陽性細胞を純化した。本疾患ではG-CSF受容体陽性細胞に選択的に増殖・分化異常が存在することをG-CSFをはじめとした造血因子との無血清培養で確認を行った。患者のCD34陽性・G-CSF受容体陽性細胞では増殖・分化が正常コントロールに比して有意に低下を示したが、G-CSF受容体陰性細胞の増殖は正常と患者の間に差は認められなかった。患者の好中球エラスターゼ遺伝子の解析はPCR増幅産物の直接シークエンスにて行った。4例中2例に点変異が従来の報告と一致した部位に認められた。純化細胞の増殖・分化に伴った、一次顆粒蛋白である好中球エラスターゼ、ミエロブラスチン、ペルオキシダーゼと二次顆粒の代表であるラクトフェリンの遺伝子発現は定量的PCR法で経時的に検討した。一次顆粒蛋白の遺伝子発現では患者では正常に比して有意な低下が認められたが、ラクトフェリンの遺伝子発現は正常と患者で差はみられなかった。一次顆粒の出現は前骨髄球が中心であることより、培養細胞を再度FACSでCD33の発現から純化し、一次顆粒蛋白遺伝子発現を検討したが、患者ではその発現が著明に低下していた。患者骨髄細胞が前骨髄球で成熟障害を示すことから、これらの結果は一次顆粒蛋白の遺伝子発現が本症の病態に密接に関わっていることを示すものと推測された。現在、これら一次顆粒蛋白の遺伝子発現に共通した遺伝子部位の解析とその転写機構についての検討を行っており、患者での分子生物学的異常を明らかとする。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masao Kobayashi, Kazuhiro Nakamura, et al.: "Significance of the detection of antineutrophil antibodies in children with chronic neutropenia"BLOOD. 99(In press). (2002)

  • [文献書誌] Kikuyo Taniguchi, Masao Kobayashi, et al.: "Human neutrophil antigen-2a expression of neutrophils from healthy adults in western Japan"TRANSFUSION. 44(In press). (2002)

  • [文献書誌] Mitsugi Okada, Masao Kobayashi, Takamune Hino, Hidemi Kurihara: "Clinical periodontal findings and microflora profiles in children with chronic neutropenia under supervised oral hygiene"JOURNAL OF PERIODONTOLOGY. 72. 945-952 (2001)

  • [文献書誌] Rokuro Hagimoto, Masao Kobayashi, et al.: "A possible role of the maternal anti-HLA antibody in a case of alloimmune neonatal neutropenia"TRANSFUSION. 41. 615-620 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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