ヒト移植片生着促進細胞の同定と臨床応用のための基礎的研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 13670807
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 佐藤 貴 広島大学, 医学部, 助手 (90271064)
• 研究分担者: 上田 一博 広島大学, 医学部, 教授 (30112189) ; 小林 正夫 広島大学, 教育学研究科, 教授 (00162016)
• キーワード: 移植片生着促進細胞 / 異種間移植

研究概要

ヒト-マウス異種間移植を利用して、移植片生着促進細胞の同定を試みている。
ヒト骨髄中のCD8分画の分析:骨髄単核細胞中の20〜30%に陽性。このうち,30〜40%がCD56陽性,15〜20%がCD161陽性であった。CD8+CD56+,CD8+CD56-,CD8+CD161+,CD8+CD161-をそれぞれ、生着促進細胞候補分画とした。
NOD/SCIDマウスへの移植:300cGy放射線照射マウスへ、全骨髄細胞、造血幹細胞分画、CD8分画、生着促進細胞候補分画の移植を行った。移植後4週の解析では、全骨髄細胞移植1〜15%、造血幹細胞分画移植1〜20%、CD8分画0.2-3.5%、CD8+CD56+0.5〜3%、CD8+CD56-0.3〜2%、CD8+CD161+0.2〜3%、CD8+CD161-0.2〜4%のヒト細胞がマウス骨髄中に観察された。以上から、NOD/SCIDマウス中で、ヒトCD8分画の異常増殖は認めず、この系での判定が可能であることが示唆された。今後引き続いて、移植後12週の検討後、造血幹細胞分画と、生着促進細胞候補分画の同時移植によって、移植促進効果の判定を行う。同時に、死亡マウスの病理学的検討を行い、GVHDの検索を行う。