GH-1遺伝子のイントロンにありスプライシングに重要な部位と考えられているintron splice enhancer (ISE) motifに注目して遺伝子解析を行うことを目的に現在までに家族と本人の同意取得した重度から軽度の特発性GH分泌不全症20例を解析した。 うち13例は第3イントロンの異常は認められなかった。現在他のイントロンのISE motifについて塩基配列解析中である。部分的に塩基配列の異常があるイントロンがあるが、病的意義については現在考察中である。残りの7例についても解析を急いでいる。 我々の症例のなかで『第3イントロンにIVS3+28G→A変異を認めた遺伝性成長ホルモン単独欠損症II型』を報告した。これまでもGH-1遺伝子の第3イントロンの変異によりスプライシング異常をおこす例が報告されている。特に本症例の変異は部位はpre-mRNAにスプライスゾームが作用するISE motif (XGGG repeats)の部分に相当し、その変異の位置によってエクソン3のスキップ度合いが異なる。そのスキップ度合いによりGH分泌不全の程度が異なり、臨床的には低身長の程度に影響をしているものと考えられた。よって現在確認されているイントロンの異常についても同様の機序が考えられるか検討中である。
|