研究課題/領域番号 |
13670818
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松本 知明 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (30128318)
|
研究分担者 |
江川 清文 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50183215)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2004
|
キーワード | アトピー性皮膚炎 / アレルギー疾患 / インターロイキン18 / インターロイキン12 / インターロイキン12リセプター / インターフェロンガンマ / Th1細胞 / Th2細胞 |
研究概要 |
マクロファージから分泌される炎症性サイトカインIL-18は、Th1細胞ばかりではなくTh2細胞からのサイトカイン産生にも大きな影響をもつことが分かっている。この研究の目的は、ステロイド外用を中心とした治療にも関わらずコントロールが不良で難治なアトピー性皮膚炎(AD)を呈する小児例において、IL-18の関与を明らかにすることにあった。 AD小児およびアレルギー歴のない小児(コントロール)から採血して単核細胞を採取した。試験官内で1x10^6/mlに調整してLPSおよびPHAで1時間刺激し産生されるIL-18とインターフェロン・ガンマ(IFN-γ)量を測定した。その結果AD小児では非アレルギー小児に比べIL-18産生能は亢進しており(幾何平均、172pg/ml vs.118pg/ml、IFN-γ産生能は低下していた(同6.8IU/ml vs.20.7IU/mD。いずれも統計学上有意であった。ウエスタンブロット法で調べると、AD小児においてはLPS刺激がなくてもIL-18が発現していることが分かった。 IL-18はIL-12ないしIL-2の存在下でIFN-γ産生を誘導することが動物実験で分かっている。AD小児およびコントロールから単核細胞を採取し、1x10^6/mlに調整してIL-18+iL-12およびIL-18+IL-2の組み合わせで24時間刺激し産生されるIFN-γ量を測定した。コントロール全員から、いずれの刺激においてもng単位の大量のIFN-γ産生がみられた。AD小児ではIL-18+IL-2刺激下でng単位のIFN-γ産生があったものの、IL-18+IL12刺激下では21例中5例で全くIFN-γ産生がみられなかった。この結果から、AD小児の約4分1にTh1細胞上のIL-12リセプターの数ないし機能に異常があると推測できた。IL-12β1リセプターに対するモノクロナール抗体を用いてT細胞上の発現数を測定したが、AD小児とコントロール間に有意差はなかった。IL-12β2リセプターに対する抗体は入手できなかったので、T細胞上のIL-12β2リセプターをPHA刺激によって発現させ、その後一定量のIL-12を投与して結合によって減少するIL-12量からIL-12β2リセプター量を定量化することを試みた。しかしながらこの方法では安定した値が得られなかった。
|