過去20年間に渡って札幌市において分離された200株余りのRSウイルス野外株をHEp-2細胞を用いて再分離した。細胞よりRNAを分離し、cDNAを作成した。RSウイルスのG遺伝子のほぼ全域をカバーするプライマーによりG遺伝子を増幅し、その産物を数種類の制限酵素を用いて切断、その切断パターンにより遺伝子型を決定した。これにより、サブグループA125株を分析したところ、10種類の異なった遺伝子型に分けることができた。各シーズン毎に優位な流行を示した遺伝子型を特定することができたが、優位な流行株は1-3シーズン続いた後に他の遺伝子型の株に交替していく現象が認められた。連続した15シーズン中6種類の優位な株が特定できた。
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