研究課題/領域番号 |
13670823
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 仁 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80045682)
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研究分担者 |
川崎 幸彦 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00305369)
細矢 光亮 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80192318)
鈴木 順造 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20171217)
磯目 正人 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (00363747)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | IgA腎症 / コクサッキーウイルス / Higaマウス |
研究概要 |
IgA腎症はヒトの慢性腎炎群の中で最も頻度の高い疾患であるが、その病因は未だ不明のままにある。IgA腎症の一部には気道あるいは消化管感染に引き続いて、腎炎の急性発症をみたり、尿所見の増悪、悪化を見ることがあるので、ウイルスがその発症、進展に関与している可能性は高い。このことに関して従来より、臨床および実験においてその腎炎惹起性が注目されているウイルスの一つにエンテロウイルス属に属するコクサッキーウイルスB4がある。 私達は、これまでコクサッキーウイルスB群をマウスに静脈内、腹腔内および経口と様々な方法で接種することにより、IgA腎症類似のメサンギウム増殖性腎炎が生じることを報告してきた。 そこで、今回、コクサッキーウイルスB群の細胞膜受容体のひとつであるcommom coxsackievirus and adenovirus recepter(CAR)の発現部位について検討したところ、CARは腎内、特に皮質部にその発現が認められた。これは、ウイルスが直接腎組織、腎固有細胞にも感染する可能性を示唆する所見である。 また、さらに私達は、コクサッキーウイルスがIgA腎症患児の病態にその増悪因子として如何に働くかを明確にするために、IgA腎症モデル動物であるHIGAマウスに、コクサッキーウイルスを接種し、尿蛋白量などの推移および腎組織を観察したところ、コクサッキーウイルス投与群においてコントロール群と比較して早期に蛋白尿が出現して、メサンギウム領域にIgAがより強く沈着し、メサンギウム増殖性変化がより高度であることを明らかにした。これらの所見は、コクサッキーウイルスがIgA腎症モデル動物の病態に、その増悪因子として働くことを示唆しており、その増悪機序の一つにCARが関与しているものと推察された。
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