研究概要 |
平成13年度は、ストレプトゾトシン(STZ)投与糖尿病ラットを用いて糖尿病性腎症を作成し、テトラヒドロビオプテリン(BH4)投与による予防効果を検討した。 1)9週令のラットにストレプトゾトシン(160mg/kg)を腹腔内投与し、尿糖のチェックにより糖尿病の発症を確認し、その後インスリン皮下中により血糖を200mg/dl程度にコントロールするため、尿糖、血糖、尿蛋白はテストテープで毎日検査した。このようにして作成したSTZ糖尿病ラット(STZ群)と、対照の正常ラット(SD群)を用いて次の5群(各群12匹)に分け、一酸化窒素合成酵素(NOS)の補酵素としてテトラヒドロビオプテリン(BH4)を、NOS阻害剤としてLMNA(L-methyl-N-arginine)を用いた。 1,SD群、2,STZ群、3,(STZ+BH4)群、4,(STZ+LMNA)群、5,(STZ+BH4+LMNA)群 2)10週齢より第1群と第2群は蒸留水を、第3群はBH4(20mg/kg)を、第4群はLMNAを、第5群はBH4とLMNAの両方を蒸留水に溶解し、経口注入で22週齢まで連日投与し、この5群につき、3週毎(10、13、16、19、22週齢)に、体重、血糖、血圧を測定し、採血と採尿を行った。採尿は代謝ケージで24時間尿を採取した。 STZ群では第9週でアルブミン尿を認め、第14週まで糖尿病性腎症が進行した。しかし、(STZ+BH4)群では腎症の進展は認めなかった。腎のeNOSの発現はSTZ群では減少していたが、(STZ+BH4)群では減少していなかった。これらの結果はBH4が糖尿病性腎症の発症にかかわり、その進展を予防する効果があることを示唆するものと考えられた。
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