研究課題/領域番号 |
13670827
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
新宅 治夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00206319)
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研究分担者 |
川村 智行 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60271186)
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キーワード | テトラヒドロビオプテリン / BH4 / 糖尿病性腎症 / 一酸化窒素 / NO / 一酸化窒素合成酵素 / 糖尿病 / 蛋白尿 |
研究概要 |
平成14年度は、自然発症糖尿病(OLETF)ラットを用いて糖尿病性腎症を作成し、テトラヒドロビオプテリン(BH4)投与による予防効果を検討した。 1)OLETFラット(OLETFR)と、対照の正常ラット(LETOR)を用いて次の5群に分け、前年度と同様NOSの補酵素としてBH4をいNOS阻害剤としてLMNAを用いた。各群は12匹で8-62週齢まで実験を行い、体重、血圧、血液・尿の生化学的分析と腎の病理組織を検討した。 1、LETOR群 2、OLETFR群 3、OLETFR十BH4群 4、OLETFR十LNAME群 5、OLETFR+BH4+LNAME群 2)10週齢より第1群と第2群は蒸留水を、第3群はBH4(20mg/kg)を、第4群はLMNAを、第5群はBH4とLMNAの両方を蒸留水に溶解し、経口注入で54週齢まで連日投与した。この5群につき、6週毎(8、14、26、40、50、54週齢)に、体重、血糖、血圧を測定し、採血と採尿を行った。採尿は代謝ケージで24時間尿を採取した。これらの検体につき、血中ビオプテリン、尿中ビオプテリン、蛋白等を測定した。 OLETF群では第13週で蛋白尿を認め、第61週まで糖尿病性腎症が進行した。しかし、(OLETF+BH4)群では蛋白尿はOLETF群に比べ有意に低下し腎症の進展が改善していた。これらの結果はBH4が糖尿病性腎症の発症にかかわり、その進展を予防する効果があることを示唆するものと考えられた。
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