研究課題/領域番号 |
13670835
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
野間 剛 北里大学, 医学部, 講師 (60208387)
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研究分担者 |
高山 吉永 北里大学, 医学部, 助手 (90245407)
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
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キーワード | 気管支喘息 / ダニ / CD47 / CRTH2 |
研究概要 |
小児の気管支喘息はダニ抗原特異lgEにより発症する。 思春期を迎え、病気が改善した患者のリンパ球には、lgEを作り出すBリンパ球を破壊する(アポトーシス)Tリンパ球が存在することをすでに明らかにした。Tリンパ球から産生される破壊因子は従来報告されているものとは異なり、その遺伝子は、活動期の症状のが消失しない患者では変異していることが推測される。この液性因子とその受容体分子の遺伝子(疾患感受性遺伝子)を明らかにすることにより気管支喘息の病態を把握し治療の糸口をつかむことが可能となる。昨年度は、気管支喘息がよくなった患児リンパ球から、ダニ抗原特異lgEを分泌するB細胞株のlgE産生の抑制と、細胞破壊を起こすTリンパ球のクローン細胞を選択した。 今年度は、気管支喘息が良くならない患児でのT細胞の解析を施行した。 即ち、CD47分子は、インテグリン関連分子で多くの造血細胞に発現し、T細胞にも表出される。ダニ抗原誘発気管支喘息患者のリンパ球が低濃度のDf抗原で刺激されると、これらに作用して、TH2サイトカイン、IL-4の産生を増強し、至適濃度で作用するとIL-4の産生を減少し、IFN-gの産生を増強し、結果的にB細胞株のlgE産生調節する作用を持っていることを明らかにした。一方、CRTH2はT細胞に特異的に発現する分子で、CD47と同様、TH2サイトカインの産生調節に関わっていることを明らかにした。 これらの分子の機能異常はB細胞からのlgE産生を許容し、アレルギー疾患の発症と増悪を惹起すると考えられる。気管支喘息が寛解しない患児のCD47及びCRTH2分子の遺伝子解析を施行した。気管支喘息が寛解しない患者で、CRTH2遺伝子の変異が認められた。T細胞上に発現するCRTH2遺伝子の異常が、疾患発症と増悪に関わっている可能性が示唆された。
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