研究課題/領域番号 |
13670835
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
野間 剛 北里大学, 医学部, 講師 (60208387)
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研究分担者 |
高山 吉永 北里大学, 医学部, 助手 (90245407)
松浦 信夫 北里大学, 医学部, 教授 (50002332)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | functional IgE / mite-sensitive bronchial asthma / Apoptosis / Roxithromycin / Fas / Fas ligand / Df-specific anergy of T cells / IL-10 / CRTH2 genes |
研究概要 |
小児期の気管支喘息はダニ抗原特異IgEにより病気が誘導される。本研究では、(I)アレルギー疾患を誘導する免疫異常の解析をすすめ、通常はIgEの産生が極わずかである健康者のダニ抗原特異IgEの機能について検討を加え、健康者リンパ球は機能的なIgE産生を示すことを明らかにした。次に、病気が改善した患者(寛解患者)のリンパ球には、このIgEを作り出すBリンパ球を破壊する(アポトーシスの機序)サイトカインを分泌するTリンパ球が存在することを明らかにしたが、更に、喘息活動期及び寛解期患者リンパ球のアポトーシス及び免疫寛容を誘導するサイトカインについて検討を加え、アレルギー疾患の発症と寛解には、病因抗原(ダニ抗原)により誘導されるアポトーシスや、免疫寛容(T細胞アナジー)を誘導するインターロイキン-10が重要な役割を果たすことを明らかにした。次に(II)これら免疫アレルギーの異常に関連する遺伝子(疾患感受性遺伝子)を明らかにする目的で、アレルギー反応誘導に関わるTh2細胞に特異的に発現するCRTH2分子のアレルギー疾患での役割について検討し、CRTH2遺伝子が成熟B細胞に発現してCRTH2分子を構成し、ダニ抗原特異的IgE産生にかかわっていることを明らかにした。CRTH2遺伝子の多型性は遺伝子の1塩基が変異しこれらの異常が疾患発症に関わっている可能性が推測された。 疾患感受性遺伝子の機能は単にその遺伝子異常のみで決まるものではなく、他の転写因子やその他の調節因子により左右される。今回検討した遺伝子ではアミノ酸置換まで及ばない遺伝子置換があったが、疾患におけるこの違いが蛋白発現の調節に関わり疾患が発症する可能性があると考えられた。本研究の遺伝子異常の解析は、臨床的・細胞学的機能の解析と両輪となり、アレルギー疾患の解明及び診断と治療につながっていくものと考えられる。
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