研究課題/領域番号 |
13670836
|
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
別所 文雄 杏林大学, 医学部, 教授 (40010285)
|
研究分担者 |
楊国 昌 杏林大学, 医学部, 助教授 (70255389)
吉野 浩 杏林大学, 医学部, 助手 (30333032)
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
|
キーワード | 小児白血病 / LAT1 / 4F2hc / アミノ酸トランスポーター / ウェスタンブロット / 抗原特異性 / 細胞内局在 |
研究概要 |
昨年度の研究で、白血病細胞株についてのLAT1蛋白のウェスタンブロットにおいて、不明のバンドが検出された理由について、2つの可能性が考えられた。 1.これまで主に用いられていた系が固形腫瘍であったが、白血病においてはLAT1と交叉抗原を有する別の蛋白の存在の可能性 2.検出に用いた抗体の特異性の問題 まず、第2の可能性を考え、別の抗体を用いてウエスタンブロットを試みたところ、単一のバンドが得られた。従って、第1の可能性も否定できないが、抗体の特異性の問題が主な理由であると考え、当面は今回用いた抗体を用いることとした。 この抗体を用いることにより、ウェスタンブロットにおいて、陽性コントロールとしての固形腫瘍、白血病細胞株、新規診断急性骨髄性白血病患者からの白血病細胞についてLAT1に相当する38KDaの単一のバンドが得られた。また、同時に行ったLAT2、4F2hcに対する抗体を用いたウェスタンブロットによって、それぞれに相当する60KDaならびに80KDaの単一のバンドが得られた。 以上から、白血病細胞においてもこのアミノ酸トランスポーターシステムが存在していることが判明した。 次いで、これら蛋白の細胞内局在をみるため、細胞の塗抹標本上で蛍光標識抗体を用いた観察を行った。共焦点顕微鏡による観察では、全ての分子が細胞質内に見られたが、細胞膜への限局化傾向を示唆する所見が得られなかった。これまでの固形腫瘍を用いた研究では、LAT1は、4F2hc存在下では細胞膜に局在してその機能を発現しているものと考えられており、今後この点の確認を進めていく予定である。
|