研究課題
基盤研究(C)
小児白血病細胞株ならびに様々な型の小児白血病の患児の骨髄細胞についてLAT1の発現を、ウエスタンブロッティング法、蛍光抗体法、RT-PCR法によって検出し、LAT1インヒビターBCHによる細胞の生存率をMTTアッセイ法によって検討した。LAT1は、検討した全ての細胞株、骨髄細胞に認められた。生物学的に異なる細胞株間で、また異なる型の白血病細胞間で発現に違いは認められなかった。LAT1はまた、寛解中の骨髄細胞にもその発現が認められた。インヒビターの一つであるBCHによる生存抑制は用量依存性に認められたが、抑制効果の用量による増加率は用量が大きくなるに従い小さくなり、LC_<50>はBCH濃度300microMに至っても到達出来なかった。以上の結果は、白血病の治療にはより強力なインヒビターが必要であることを示している。さらに、LAT1は寛解期の骨髄にも発現しており、正常骨髄細胞も抑制される可能性が認められた。正常骨髄細胞と白血病細胞との間の差が小さいことが考えられ、LAT1に対する効果とLAT2に対する効果との比が大きい、より選択性が高いインヒビターが必要と考えられた。現在入手可能なインヒビターで、この比が大きなものは水に難溶性であり、新しいインヒビターの開発が求められる。また、造血幹細胞に対するインヒビターの効果も今後検討の必要がある。
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