研究課題/領域番号 |
13670849
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
宇理須 厚雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20193972)
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研究分担者 |
柘植 郁哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00231431)
近藤 康人 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (30301641)
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キーワード | 鶏卵アレルギー / 経口免疫寛容 / 加熱脱オボムコイド卵白 / 特異的IgE抗体 / 特異的IgG4 |
研究概要 |
加熱脱オボムコイド卵白連日摂取(1日鶏卵1個相当、2週間から4週間)後の経口負荷試験の結果は、凍結乾燥卵白陽性群は23例中12例(52.1%)、加熱卵白陽性群は9例中5例(55.6%)で陰性化した。全症例で検討すると、32例中(男:女=17:15、年齢4.5±2.8歳)17例(53、1%)で陰性化したことになる。しかも、負荷試験点数でみると非陰性化群でも有意に(p=0.045)低下(改善)していた。 連日摂取前後で測定した種々のパラメーターをみると、血清総IgE値、特異的IgE抗体価(卵白、オボムコイド、ヤケヒョウヒダニ、牛乳、小麦)は有意な変動を示さなかった。卵白特異的IgA、IgGも有意な変化はみられなかった。一方、卵白特異的IgG4は非陰性化群(p>0.05)では変動はみられなかったが、陰性化群だけが、連日摂取後、有意に(p=0.044)上昇した。陰性化群と非陰性化群と間で背景因子を検討した結果、(1)年齢では差がみられなかった、(2)連日摂取前の経口負荷試験の症状点数には差がなかった、(3)負荷試験が陽性となる最終抗原量が陰性化群は非陰性化群と比べると有意に高値(P=0.041)であった、(4)2週間で陰性化しなかった1例に2週間、4週間で陰性化しなかった2例に8週間追加摂取した結果、陰性化した。陰性化の背景因子としては連日投与前に行った経口負荷試験が陽性となる最終抗原量が陰性化群で有意に高値であったことから、寛解に近づいている患者の方が陰性化しやすいことが示唆された。2週間あるいは4週間では陰性化できなかった症例でも、摂取期間を延長することによって寛解誘導が可能であることが示唆された。
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