研究課題/領域番号 |
13670852
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山下 裕史朗 久留米大学, 医学部, 講師 (90211630)
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研究分担者 |
山田 茂人 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (20158190)
西 昭徳 久留米大学, 医学部, 講師 (50228144)
松石 豊次郎 久留米大学, 医学部, 教授 (60157237)
石田 重信 久留米大学, 医学部, 講師 (30248405)
石橋 正俊 久留米大学, 医学部, 助教授 (20168256)
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キーワード | 注意欠陥多動性障害 / 自閉性障害 / 神経伝達物質 / β-phenylethylamine / 尿 / monoamine oxidase B |
研究概要 |
平成13年度は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の神経生化学的病態解明を目的に、ADHD15名、高機能自閉性障害5名、対照群15名で、1日蓄尿中のβ-phenylethylamine(PEA)、3-methoxy-4-hydroxyphenyl glycol(MHPG)、homovanillic acid(HVA)、5-hydroxyindoleacetic acid(5-HIAA)を測定した。HVA、5-HIAAの値は各群間で有意差はなかった。高機能自閉性障害のMHPGは、対照群と比べて有意に低値を示した。PEAはADHD、高機能自閉性障害ともに対照群と比べて有意に低値を示し、高機能自閉性障害とADHDに共通の病態が示唆された。この事実は、ADHDの注意集中障害に有効な治療薬であるmethylphenidateが、自閉性障害児の同症状にも有効であるという報告もあり、興味深い結果である。PEAは中脳黒質線状体系のドバミン神経で合成され、monoamine oxidase B(MAO-B)によって代謝される。ドパミン神経伝達において、神経修飾因子として働いている可能性がある微量アミンである。ADHDや自閉性障害でのPEAの変化や役割に関しては報告がほとんどない。なぜADHDでPEAが低いかのメカニズムは今後の血小板MAO-Bなどの検討が必要である。また、治療薬のmethylphenidateの投与前後でPEAがどう変化するのか、特に有効例、無効例での比較も次年度に検討予定である。
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