研究課題/領域番号 |
13670855
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
柳原 延章 産業医科大学, 医学部, 教授 (80140896)
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研究分担者 |
豊平 由美子 産業医科大学, 医学部, 助手 (90269051)
朝山 光太郎 産業医科大学, 医学部, 助教授 (70129310)
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キーワード | オレキシンA / オレキシン受容体 / 副腎髄質細胞 / カテコールアミン / 生合成 / 遊離 / チロシン水酸化酵素 / ヒト血中オレキシンA濃度 |
研究概要 |
脳内の摂食亢進因子として1998年に同定された新しい神経ペプチドであるオレキシンのカテコールアミン生合成、遊離に及ぼす影響について検討した。今回の研究のもう1つの目的は、カテコールアミン産生細胞の代表である副腎髄質細胞に対するオレキシンの作用を通して、末梢組織におけるオレキシンの生理的意義の一端を明らかにすることである。 本年度の研究において、筆者らは培養ウシ副腎髄質細胞を用いてオレキシンAを作用させると、(1)^<14>C-チロシンからの^<14>C-カテコールアミンの生合成は促進したが、^<14>C-DOPAからの生合成には影響を与えなかった。(2)オレキシンAは細胞内チロシン水酸化酵素活性を濃度依存的(1〜100pM)に増加させた。(3)オレキシンAは副腎髄質細胞からのカテコールアミン遊離には影響しなかった。 以上の結果より、オレキシンAは生理的濃度において副腎髄質細胞でのカテコールアミン生合成を促進した。この促進はカテコールアミン生合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素の活性化である事が明らかとなった。今後は、オレキシンの副腎髄質細胞での受容体を同定し、その細胞内シグナル伝達系についても検討する予定である。
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