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2001 年度 実績報告書

糖原病III型の遺伝子変異と機能に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 13670856
研究機関(財)冲中記念成人病研究所

研究代表者

大久保 実  冲中記念成人病研究所, 研究員 (60241238)

キーワード糖原病III型 / グリコーゲン / AGL / ナンセンス変異 / スプライシング変異 / エスニックグループ
研究概要

糖原病III型は、グリコーゲンの分解に重要な酵素であるグリコーゲン脱分枝酵素(glycogen debranching enzyme)の欠損により、肝臓や筋肉にグリコーゲンが蓄積する常染色体劣性遺伝病である。私どもはこの酵素をコードするAGL遺伝子につき日本人患者の解析を行ってきた。本年度は、日本人とは異なるエスニックグループに属する患者の遺伝子変異を検討した。
患者の末梢血よりDNAを調製し、AGL遺伝子の35個のエクソン、エクソン-イントロン接合部およびプロモーターの塩基配列を特異的なプライマーを用いてPCR増幅し、直接塩基配列を決定した。同定した塩基置換は、制限酵素多型(RFLP)を利用して確認した。
香港在住の中国人患者1からは2つの点変異を同定した。1つは、エクソン4の34番目のコドンにCからTへの点変異があり、アルギニンをコードするコドンCGAが終止コドンTGAに変わっていた(ナンセンス変異R34X)。もう一つは、イントロン32の-12番目の塩基がAからGへと置換しており、この変異により正常のスプライスアクセプター部位より12塩基5上流でスプライシングが起こっていた。このためAGLmRNAにはイントロン32の11塩基が余分に挿入され、フレームシフトが生じて早期に終止コドンが出現する(スプライシング変異IVS32-12A>G)。RFLPを用いて患者家系を調べて、患者1はR34XとIVS32-12A>Gの複合ヘテロ接合体であることを確認した。
ドイツ人患者2は、エクソン21の864番目のコドンに点変異(C→T)があり、このためアルギニン(CGA)が終止コドン(TGA)に変わっていた(ナンセンス変異W864X)。患者2はこの変異のホモ接合体であった。
以上から、異なるエスニックグループのAGL遺伝子変異は多様であることが示唆された。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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