研究概要 |
1.抽出したmRNAのdifferential display(DD)法 平成13年度,scarless wound healingを有する胎児,有しない胎児及び成人ラット皮膚からmRNAを調整し(DD)法を施行したが,充分な再現性が得られなかった。そこで本年度も更に同様の研究を繰り返し,再現性あるデーターを得ることを目的とした。その結果,依然として再現性に問題はあったが,胎生期のラットに特異的に発現或いは消失する再現性の得られるバンドを数種見出した。このバンドからDNAを抽出後nested PCRを行い,次いで,その塩基配列をautosequencerで決定した。その結果,胎児創傷治癒機構の認められる胎児に特異的な数種の遺伝子を同定した(特許等の関連があり詳細は公表せず)。現在これらの発現ベクター及びstableに導入された細胞株の調製を行っている。 2. Serial Analysis of Gene Expression(SAGE)法によって得られたscarless wound healing関連遺伝子の解析 平成13年度は,SAGE法を用いて,胎児創傷治癒機構の特徴である高HA環境において特異的に発現或いは消失する遺伝子を解析した。その結果,27種類の遺伝子が検出された。本年度は,この塩基配列をautosequencerで完全に解析し,決定した(同様に特許等の関連があり詳細は公表せず)。次いで,1.同様に,各遺伝子の発現ベクター及び各ベクターがstableに導入された細胞株の調製を行い,実際に瘢痕形成を阻止し,正常に皮膚が再生されるか,その研究を開始した。
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