遅延型アレルギーであるアレルギー性接触皮膚炎に対する食事制限のおよぼす効果、および組織の酸化的障害に対する影響について検討した。 8週齢の雄性ICRマウスを自由摂取群と24時間絶食群に加えて、40%食餌制限群の3群に分類した。各群のマウス腹部にdinitrofuluorobenzene(DNFB)を塗布して感作し、5日後にマウス耳介に再びDNFBを塗布し、炎症を惹起させた。自由摂取群食事を自由摂取とし、24時間絶食群は惹起直後から24時間絶食させ、それ以外の期間は自由摂取とした。40%食餌制限群は、実験期間中1日の食餌摂取量を自由摂取群の60%とした。水分は各群とも自由摂取とした。各群とも炎症惹起24時間後に耳介の厚さと体重を測定し、屠殺した。耳介を取り出し組織切片を作製し、組織切片に対してhematoxylin and eosin(HE)染色を行った。また、組織の酸化的障害の指標として8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)抗体による免疫組織染色を行った。 炎症惹起24時間後の平均体重は自由摂取群に比べ、24時間絶食群や40%食餌制限群では体重の減少が見られた。また、耳介の厚さは自由摂取群に比べ、24時間絶食群や40%食餌制限群では、有意に抑制されていた。HE染色像においては、自由摂取群は、24時間絶食群や40%食餌制限群に比べ、浮腫および炎症細胞の浸潤が激しく、8-OHdG抗体による免疫染色では、24時間絶食群や40%食餌制限群に比べ、自由摂取群において強染色像が観察された。 これらの結果より、40%食餌制限群は24時間絶食とともに、炎症が抑制されているとともに、酸化的障害も抑制されている可能性が示された。
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