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2001 年度 実績報告書

プロスタノイド受容体の皮膚における生理的,病理的役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13670881
研究機関京都大学

研究代表者

井階 幸一  京都大学, 医学研究科, 助教授 (00135568)

研究分担者 高橋 健造  群馬大学, 医学部, 講師 (80291425)
キーワードトロンボキサン / プロスタノイド受容体 / 炎症性皮膚疾患 / プロスタグランジン / 接触過敏症 / リンパ節
研究概要

トロンボキサン受容体(TP)欠損マウスを用い、炎症性皮膚疾患における役割を検討した。高週齢のTP欠損マウスは頸部リンパ節などのリンパ臓器の腫大を認める。頸蔀リンパ節における遺伝子発現profileを検討したところ、DNFBを塗布された野生型マウスと無処置TP欠損マウスにおいてリンパ球活性化に関わる遺伝子が無処置野生型マウスに比較して強く発現しており、TP欠損マウスが外来刺激に対し高い反応性を示すことが示唆された。接触過敏症のモデルでは、TP欠損マウスが、耳介腫脹、所属リンパ節の腫大、Th1サイトカイン産生の亢進を示し、所属リンパ節のDNBSによる再刺激での細胞増殖の亢進から、TP欠損マウスにおいてTh1型反応の亢進が認められた。以上より、トロンボキサンが炎症性皮膚疾患において重要な役割を果たしている事が示唆された。
また、プロスタグランジン(PG)E2は、紫外線照射やハプテン塗布などの刺激により表皮細胞により大量に生産され、特異的受容体であるEP1〜4を介して機能するが、これまで皮膚免疫におけるPGE2の役割は明らかではなかった。私達はEP4選択的薬剤とEP4受容体欠損マウスを用いてランゲルハンス細胞におけるPGE2-EP4シグナルの果たす役割を検討した。FITC塗布後の所属リンパ節におけるFITC陽生細胞数、あるいはマウス耳介をメディウムに24時間浮かべた後のメディウム中のCD11c陽性細胞数を調べるとEP4欠損マウスでは野生型マウスに比べ減少し、EP4アゴニストで処置した群では増加していた。以上よりハプテン刺激により表皮細胞より産生されるPGE2はランゲルハンス細胞に存在するEP4受容体を介してランゲルハンス細胞の所属リンパ節への遊走と所属リンパ節におけるT細胞への抗原提示機能の亢進に働き、皮膚の免疫反応のにおいて重要な役割を果たすことが示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Bousguest, O: "The nonhelical tail domain of keratin 14 promotes filament bundling and enhances the mechanical proper files"J Cell Biol. 155・2. 739-746 (2001)

  • [文献書誌] Tanioka, M: "Angiosarcoma of the scalp"Brit J Dermafol. 144・2. 380-383 (2001)

  • [文献書誌] Kitoh, A: "Churg-strauss syndrome with renal inrovement"J Dermatal. 28・1. 71-74 (2001)

  • [文献書誌] Torii, E: "Expression of prostaglandin in E_2 receptor Subtypes in mouse hair follicles"Biochem Biophys Res Commun. 290・2. 696-700 (2002)

  • [文献書誌] 高橋健造: "ケラチン遺伝子の構造と進化"医学のあゆみ. 199・2. 687-691 (2001)

  • [文献書誌] 高橋健造: "Cre-loxPシステムを用いた表皮特異的な遺伝子組み替えマウスの応用例"医学のあゆみ. 199・2. 717-718 (2001)

  • [文献書誌] 井階幸一: "皮膚科専門医Clinical Exercises"医学書院. 110 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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