研究課題/領域番号 |
13670882
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研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
戸田 憲一 田附興風会, 医学研究所・第1研究部, 研究主幹 (80159045)
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研究分担者 |
岡山 實 京都産業大学, 工学部, 教授 (90158816)
松吉 徳久 京都大学, 医学・研究科, 助手 (10263071)
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キーワード | シンデカン / インテグリン / 創傷治癒 / 表皮細胞 |
研究概要 |
以前我々が作成したマウスSyndecan(Syn)family1〜4細胞外ドメインに対するポリクローナル抗体を用いて、それらの正常並びに創傷治癒過程における皮膚表皮における発現を免疫組織化学法及びRT-PCR法を用いて検討した。マウス創傷治癒モデルを用いて行った免疫組織学的検討では、(1)正常皮膚ではSyn1、Syn2およびSyn4は表皮全層に発現が認められ、Syn3はその発現が認められないこと、(2)一方創傷治癒モデルではSyn1は表皮全層に発現が優位に増強すること、(3)Syn2はインテグリンa5の発現と相関して基底細胞の真皮側で明らかに増強が認められ、その発現強度は表皮の遊走端に向かって増加すること、(4)Syn3の発現は認められず、Syn4の発現の増強も認められないこと、が判明した。一方、マウス正常表皮培養細胞を用いたインビトロ創傷治癒モデルでのRT-PCR法による検討では、(1)Syn1は増殖中の表皮細胞で発現の増強が認められるがコンフルエントにおいて発現が減弱すること、(2)Syn2は増殖中およびコンフルエントのいずれの状態においても発現の増強が認められること、(3)Syn3の発現は認められず、Syn4の発現の変動もみとめられないことが、判明した。これらの事実は、Syndecan familyは皮膚創傷治癒過程においてそれぞれが固有の発現パターンの変化を示すこと、即ち異なった機能を有する可能性を示唆している。
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