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2002 年度 実績報告書

毛包分化過程研究のためのin utero遺伝子導入法と毛芽再構成培養法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13670887
研究機関島根大学

研究代表者

松崎 貴  島根大学, 生物資源科学部, 講師 (90241249)

研究分担者 猪原 節之介  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90101295)
キーワードレトロウイルス / 子宮内遺伝子導入 / 表皮細胞 / 毛包 / 細胞分化 / 再構成
研究概要

LacZ遺伝子あるいはGFP遺伝子をレポーター遺伝子として持つレトロウイルスを作製し,これを胚齢8.0〜13.5日のマウス羊水中に注入することで,胚体体表上皮への遺伝子導入法の確立を目指した。2%PFAによる至適固定時間を検討した結果,胚齢16.0日の全胚の場合3.5時間固定したもので最良となり,胚を開腹して内臓を除去した場合と単離した背部皮膚の場合では,1.5時間の固定でも明瞭な陽性細胞が基底細胞層に見られた。LacZ陽性細胞の出現にはいくつかのパターンが見られた。例えば,隣り合った複数の基底細胞が陽性であるとともに周皮細胞ならびに両者の間を埋める中間層の細胞がすべて陽性の場合,一個の基底細胞が陽性でその上方の中間層と周皮がともに陽性の場合,一個の基底細胞が陽性でその上方の中間層も陽性だが周皮は陰性の場合などである。これらの結果から,周皮を生み出す基底細胞と,中間層すなわち表皮細胞を生み出す基底細胞とは,起源を異にするものと考えられる。陽性細胞がいつまで存続するかを調べたところ,LacZレトロウイルスの場合でもGFPレトロウイルスの場合でも,生後まで陽性細胞が残り,11週後でも確認された。こうしたケースでは毛包に陽性細胞が見られたことから,この方法で毛包細胞の細胞分化過程を追跡できるとともに,遺伝子導入実験が可能であることが示された。二段階培養法による,解離毛芽細胞からの毛芽再構築実験では,4℃で6時間トリプシン処理をすることで,細胞がうまく解離することが明らかになった。また,GFPトランスジェニックマウス由来の毛芽細胞を混入する実験から,毛芽細胞が表皮細胞と細胞選別されて自己集合することがわかった。しかし,in vitroで毛包を分化させることには成功しなかった。これらの結果から,自己集合した毛芽細胞が,真皮集塊に接触できないと表皮細胞へと脱分化してしまう可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 松崎 貴: "ヘアーバイオロジーから見た毛髪(2)"毛髪科学. 90. 3-11 (2002)

  • [文献書誌] 松崎 貴: "ヘアーバイオロジーから見た毛髪(3)"毛髪科学. 91. 3-10 (2002)

  • [文献書誌] 松崎 貴: "毛髪の生物学"Fragrance J.. 30・8. 11-15 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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