研究概要 |
薬疹の原因が薬剤リンパ球刺激試験(DLST)にて抗けいれん剤の一つであるカルバマゼピンと決定している患者から採取したリンパ球の分画をカルバマゼピン内服中にもかかわらず何の症状も見られない患者から採取したリンパ球をコントロールとして比較した。 1.カルバマゼピン薬疹患者の発症初期のリンパ球分画はコントロール群と比べて、CD19とCD56分画が著明に減少していた。 2.カルバマゼピン薬疹患者の発症初期に採取したリンパ球分画において減少していたCD19の数や割合は、薬疹の完全回復後には正常に復していた。 カルバマゼピン薬疹患者の回復期に採取したリンパ球とカルバマゼピンの内服既往のない健常人から採取したリンパ球にin vitroにおいてカルバマゼピンを添加培養し、フローサイトメトリーにより、そのCD4,CD8,CD56,CD19,Yδなどの分画におけるCD69発現を検討した。 1.CD4,CD8のCD69発現はカルバマゼピン薬疹患者と健常人の両者で低下していた。 2.カルバマゼピン薬疹患者ではCD56分画のCD56^<bright>が減少していた。 3.この結果から、薬疹患者のリンパ球と薬剤内服中にもかかわらず何の症状も見られないコントロール群、健常健常コントロール群のCD56分画を除き、同様にカルバマゼピンを添加培養し各分画のCD69の発現の検討、CD19培養上清の免疫グロブリンの測定を予定している。
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