研究課題/領域番号 |
13670910
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉岡 孝志 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90271981)
|
研究分担者 |
福田 寛 東北大学, 加齢医学研究所, 講師 (30125645)
金丸 龍之介 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70152783)
|
キーワード | Fluorine-18-2-deoxy-2-fluoro-D-glucose (FDG) / ポジトロンCT(PFT) / 代謝画像 / 消化器癌 / 抗腫瘍薬剤 |
研究概要 |
ポジトロンCT(PFT)は陽電子放出核種の存在部位を断層表示する装置で、適当なトレーサーを用いることで、生体の代謝を画像表示することができる。腫瘍の診断には主に、腫瘍の生理学的特性の糖要求性を利用して糖代謝薬剤であるFluorine-18-2-deoxy-2-fluoro-D-glucose(FDG)が使われる。このFDG-PET腫瘍画像は各種の癌腫で応用されているが胃癌、特に転移を有する進行胃癌への報告はなく、FDG-PET腫瘍画像の進行胃癌進展度診断に用いることができないか検討した。PET931(7mm幅で7断面同時断層で切る装置で主に上腹部のみの画像を収集で)で20例、SET2400W(3.3mm幅66断面同時断層装置で全身をカバー)で22例の進行・再発胃癌のFDG-PET像を収集しvisual analysisを行ったところ、sensitivity・specificity・accuracyは、PET931で46.9%・79.3%・61.8%、SFT2400Wで71.2%・74.4%・72.7%だった。部位別に見ると、原発巣・肝転移・リンパ節転移・肺転移では診断精度は高かったが、癌性腹膜炎・腹水・癌性胸膜炎・骨転移の検出力は極めて低かった。SET2400Wで検索した症例中未治療例19例で、原発巣・肝転移巣・リンパ節転移巣におけるFDGの集積性を高分化型・中分化型群と低分化型・signet cell型群の間で比較したところ、高分化型・中分化型群の方がFDGは高集積を示した。この結果を2002年米国核医学会で口頭発表する機会を得、投稿した論文はJournal of Nuclear Medicineの2003年3月号に掲載される予定である。基礎的には、ポジトロンCTが抗腫瘍薬剤として注目されている分子標的薬剤の効果判定に応用できないか検討中だが、結果はまだ出ていない。
|